【もおすけ日記】冬山登山講習・6 雪洞の作り方
そんなわけでワタクシが、ちょっとした冒険をしてきたもおすけです。
皆様こんばんにゃ。
ちょいと近所へ、プチ冒険をして来ました。
その報告は、また後日。
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で、遅くなりましたが、冬山登山講習。
本日は、雪洞の作り方&雪洞泊の報告です。
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ビーコンでの探索訓練、ロープワークの講習の次は。
皆で雪洞を掘りました。
そう、今夜の私達の泊まる宿となるわけです。
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■ 雪洞の作り方のポイント ■
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・テント(幕営)時と同じく、雪崩のない場所、風向きなどを確認する。
・山の傾斜を利用して、横(穴式)に雪洞を掘っていく。
・雪洞の天井部分は、弱層より40~50cm下になるように。(でないと天井が落ちてきます)
・その際、ポイントは“ビーバーの巣”状態がベスト。
つまり、入り口は小さく低くなっていて、雪洞の中の床部分は
入り口より一段高くなっている“ビーバーの巣”のような構造。
これは、外からの冷気や吹き込んでくる雪が
雪洞内にそのまま入り込まないようにするため。
・雪の断面に対して、はじめに前(横)に掘って、それから横中を広げて掘っていく感じ。
(あくまで入り口は、最小限の大きさに)。
・最後にろうそく棚・靴棚等を作る。
・雪洞の上を、歩かれない様な場所にするのもポイントです。(もしくは雪洞の上に目印をつける)
・雪洞内の天井はドーム型に。雪の凸凹をなくして滑らかにする。こうすると雪が溶けても
水滴が落ちにくい。尖りがあると、ずっとそこから滴り落ちてシュラフなどが濡れてしまう。
・一晩で10cmは天井が低くなるから、それを考えた高さに作る。
(でないと翌朝、動きにくい。)
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さて、もおすけ達6人も掘り始めます。
まず、雪の斜面をまっすぐ縦(垂直)にして、弱層の下の所が天井になるように
奥へ奥へとトンネルを掘るように、掘っていきます。
スノーソーでブロック状にして、スコップを差し込んで。
ボコッと雪が、塊で取れると気持ちいいです。
先頭に二人。
雪を掻き出す人・二人。
その受け取った雪を、外に投げ出す人・二人。
雪が軟らかい時は、踏んだりして硬くしてからブロック状で取って行くと効率がいい。
とにかく掘ります、掘ります。
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そうすると・・・。
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ブッシュ(藪の意味。今回は、木の小枝が多かった。)が、出て来ました。
出て来たブッシュをよけて掘り進めて、最終的にはスノーソーで切ります。
出て来ちゃったよ、ブッシュが・・・。
でも、掘れば掘るだけブッシュの数は増えるばかり。
『これで、寝られるスペースは出来るの・・・?』と、口には出さなかったけれど、
皆この台詞が頭をよぎって、不安になります。
それでも頑張って掘り進めていたら、先生が一言。
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先:『こりゃあ、無理だな。運が悪いわ。他の場所に掘り直しだな。』
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ブッシュの可能性がどれだけあるかは、やっぱり掘ってみないとわからないもの。
隣の班もブッシュは出たものの、何とか掘り上げた様子でしたが うちらは一からやり直し。
こちらは隣の班の雪洞。この後、ロウソク棚まで作り、広々とした雪洞でした。
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『うわーーー。ここまでやったのにーーー。』
皆、同じ気持ちでした。
でも、残念がっていても始まらない。
早くしないと 今度は日が暮れてしまう。 小休止を取って、気持ちを切り替えて作り直し!
アイちゃんは足を使ってスコップを差し込み、大きな雪の塊を掘り出してくれます。
皆リレー作業で、雪を掻き出し。
汗が流れる作業でした。
ちなみにこちらは、お兄さんコース生の 一人用の雪洞。
早々に完成させていました。
一人用は比較的楽です(両方作った私が断言します)。ブッシュに当たる確率も少ない。
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先:『16時半までで終わらせよう。それで間に合わなかったら、女子は隣の雪洞に
寝かせてもらおう。』
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今日が最後の夜。
せっかく一緒の班になったのだから、最後の晩御飯も寝るのも皆一緒がいい。
私はそう思いましたが、他の皆も思いは同じだった様で。
先生のその一言で、男性陣の掘り出し作業、目に見えてターボがかかりました。
(特にモモさん・とだっち。)
疲れているはずなのに。
ものすごい勢いで掘り出す男性陣。
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『皆、一緒がいい。』
全員がそう思ってくれていた事が、とても嬉しくて。
もおすけは、ちょっぴり胸が熱くなりました。
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それから掘って掘って、掻き出す掻き出す。
二つめの七人用の大きな雪洞掘りなのに、もの凄いペースで掘りすすめました。
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『先生、狭くてもいいから、夕食は何とかここで皆で食べたいです!』
誰ともなく、先生にそう伝え、夕食は全員でこの雪洞で。
気がつけば、体も冷え切っていた。
氷のように冷たくなった手を温める、モモさんと私。
狭いし、女子は寝るのはお隣の雪洞だから、と私とアイちゃんは入り口に座りました。
まずは温かいアルコール(もおすけだけミルクチャイ)で、雪洞完成の乾杯。
この時は、もう皆 笑顔でした。
ホント、お疲れ~。
温かい飲み物が、美味しい!シアワセ!
ひとまずホッとしました。
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先:『今日の夕飯は、何だ?』
も:『今日はラーメンです。』
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寒い夜は、やっぱり温かい汁物が嬉しい。
お湯を沸かして、白菜、ネギ、生姜に、わかめを入れて。
トッピングにチャーシューと、コーン。
ラーメンの完成です。
胡椒をふって、いただきま~す!
この後、アルコールをメインとした宴へと移り、先生はじめ皆盛り上がり。
雪洞つくりが大変だった分、最高に楽しい夜となりました。
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『やっぱり今日が最後の夜だから、何とかここで7人寝れないかなぁ。』
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誰だったかな!?
そんな風に言ってくれて。
もちろん女子(アイちゃんと私)も、入れるならこっちで寝たいな。気持ちは同じ。
先:『とりあえず寝てみよう。狭くったっていいよ。
本来雪洞ってのは、こういうもんなんだから。』
という先生の一言で、みんなで場所作り。
ザックは外に、お鍋・食材も外の棚に。靴とコンロだけ中の棚に。
そしてシュラフを広げました。
何とか7人入ったら。
ぎゅうぎゅうのイモ虫状態。
あまりの狭さに、笑いが出るほど。もおすけも大爆笑。
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でも。
見よ、これが本当の雪洞でビバークだっ!
ブッシュに細引きをかけて、ランタンを灯す。
サングラスや、インナーグローブもここにかけて干し。
モモさんはツェルトで、入り口をふさぐ。
そして、ぎゅうぎゅう。
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も:『すごーい!楽しすぎて寝るのがもったいな~い♪』と、アイちゃんと私。
この光景を眺めて笑っている私達と、私達を眺めて笑っているモモさん。
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先生とOさんは早々に寝る準備。
とだっち・たっつーさんは、笑いながらこの光景をカメラに収める。
そして驚くほどの早さで、先生・Oさんは 早々に夢の第一幕へと入られた様子。
(寝息&いびきですぐわかる)
アイちゃんも、雪洞掘りの疲れからか、すぐにスヤスヤと寝息が聞こえ。
モモさんは一番最後に一杯写真を撮って、一人で笑っていました。
その液晶画面を横目で見て、私もくすりと笑いながら。
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『全員一緒がいい。』と、言ってくれたチーム8班の皆。
とにかく頑張って掘ってくれた皆。
本当にありがとう。
『偶然は必然』と言うけれど、この班・K先生・この人達に巡り会えて
本当に、シアワセだなぁと思いました。
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自分の足さえも揃えられず重なってしまうほど、狭い雪洞泊。
でも“皆で眠れる幸福感”が、もおすけを深い眠りに いざなってくれたのでした。
←いよいよ明日は下山です。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
■Linさんへ
ほんと、実際にやってみるといろんなことがわかって勉強になりました。
雪洞には、障害がつきもの。
そう思えば、次もへこたれず掘れる気がします。
楽しく、そして勉強になって、無事下山。
メデタシ メデタシ!です♪
投稿: もおすけ | 2011年2月25日 (金) 22時56分
■ヨネチへ
うん、すごく為になったし、新しい出会いでいろんな人と話せたから
とても楽しかったです。
雪洞の狭さは、人生史上最高の狭い就寝スペースでした。
ほんと、笑えたもん。
でも、それさえも楽しかったー。
私はテント泊の日より何故かよく眠れました。
■紗央ちゃんへ
そう、それまで一緒に過ごしていたからこそ、最後まで一緒に過ごしたかったのよね。
やっぱり苦楽を共にした仲間って、一生ものの宝です。
投稿: もおすけ | 2011年2月25日 (金) 22時54分
もうすけ さん
大所帯の雪洞作り大変ですよね〃
雪上面から内部のブッシュの有無は判断出来ないもんね!
様々な条件を満たすという事は、自然界では大変なことです。
雪洞作りは、樹林帯では、ブッシュ、岩石帯では岩石の塊、全て場所選択は“賭け”
善き仲間に恵まれ、メデタシ! メデタシ!
投稿: Lin Bang Hong | 2011年2月23日 (水) 19時10分
なかなか更新しないから大丈夫かな…?って思ってました(´・ω・`)
元気そうでなによりです!!
なんか団結力というかもう一生ないって思うとどうしてもみんな一緒に同じ時間を共有したい。そういう気持ちがみんなにあったのかもですね。
投稿: 紗央 | 2011年2月23日 (水) 07時46分
素敵☆素敵〜っ☆
すごく素敵な仲間ですね!!!
一つの事を共有して、協力し合って頑張るって本当にいい事ですよね。
完成おめでとうございます☆
素敵な冬になりましたね!
それにしてもぎゅうぎゅう過ぎて笑えちゃいました、すみません…。
寝返りもうてないはさ、朝は筋肉痛になりませんでした?
投稿: ヨネチ | 2011年2月23日 (水) 00時39分