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2011年3月10日 (木)

【もおすけ日記】吹雪の西穂独標・4

人呼んで、トゲ抜き地蔵とはワタシのこと。

皆様こんばんにゃ、おさるのもおすけでございます。

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先日、掃除をしていた時のこと。

トゲと言うより、木片と呼んでもいい位の大きなトゲが(結局トゲ)

気がついたら刺さっていました。

そんなに大きなトゲなのに、いつ何処で刺さったのか わからない。

毛抜きで抜いたら、端っこが残って普通サイズのトゲとなり。

最悪のパターン。

そして痛みは続く。

(近未来系・獣医さん)のDr.くりっきーに恐る恐る頼むも、いきなり針を持ち出され

ワーギャー言いながら、ビクつく私。

それでも彼は暴れる私の腕を抑え、全てのトゲの破片を綺麗に取ってくれました。

顔に似合わず、繊細な手つき。

くりっきー、どうもありがとう。

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話変わって。

昨日はまた、志賀は大雪。

車の立ち往生を含め、小さなゲレンデ事故も多いこの頃。

夕食後、社長が

社:『皆も、とにかく事故や怪我ののない様に。』

と。

ここまでは良しとしよう。

社:『トゲとか刺さらない様に。』

って。(いたづらっ子の顔つきで、私を見ながら。)

ここで それを付けますか?シャチョー。

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皆様。トゲが刺さると、小さくても結構ちくちく痛いです。

ついでにネタにもされますので、どうぞお気をつけを。

そんなこんなで、西穂独標・その4でございます。

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丸山を超えてからは、急斜の連続です。

110301_21                                  目指すはここ。西穂独標。

さらに進んでいきます。

110301_31

                                   こんな傾斜で、頂まで。

あー。もうこんなとこイヤだ。

滑ったら、一発だ。

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110301_30

風に煽られながら、ただもう無我夢中。

足元の緩さから言って、この急斜で掴む岩もない。

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登るのは、いい。

ただ安全に下る事ができるのか。

それを思った時に、『いっちゃん(リーダー)なら、どう判断するか。』を考えました。

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も:『さぶちゃん、あと5m登れる?』

さ:『うん、なんとか。』

も:『あと5m登って、道標が見えなかったら、悔しいけど引き返そう。

  私、これ以上長くなると安全に下れる自信がない。』

さ:『わかった。』

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正直、一番言いたくない台詞でした。

寒い思いと(私達にとっては)散々怖い思いまでして、ここまで登り詰めたのに

ここで引き返すことになるなんて。

あと、ほんの少しなのに。

それでも安全に帰ることを思えば、言わなくてはいけない台詞だということ。

わかっていても、悔しいものです。

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私はこの場で待機。

さぶちゃんだけ、登ります。

吹雪でかき消されそうになる声。

ただ、危なげな足元を祈る気持ちで見つめながら。

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も:『どう?さぶちゃん!道標見えた?』

返事、なし。

も:『どう?そこから見える?』

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振り返ったさぶちゃん、無言で親指を立てました。

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も:『ほんと?ほんとにそこから見えるの??待って、そこまで行くから!』

なんとかサブちゃんのいる所まで登っていくと、道標の頭が見えてきました。

も:『あ!あった!あった!!』

何度もそう言いながら、下りの怖さなど全く考えず、ただ夢中で登りました。

110301_28                             ずっと見たかった道標が、ようやく近くに。

PM14:48.

やっとの思いで西穂独標、登頂。

110301_29

頂はわずかなスペース。

昨秋に登った時よりずっと狭く感じられたのは、周りの雪のせいでしょうか。

110301_41_2                    風に押し流されるから、掴まりながら記念撮影。

この時点で、14:48分。

これから下り。

これは更に慎重さが必要となります。

寒いし、遅くなるし、登れただけで、もう十分。

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も:『もう、帰ろ帰ろ!』

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二人でそそくさと、降りることにしました。

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怖かった独標直下の岩場もずり落ちながら、なんとか下り。

とはいえ、山岳事故の多くは登りでなく、下りにあります。

なので下りの写真は、殆どなし。

ようやく緩斜面に落ち着いてから、カメラが取り出せるようになりました。

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※皆様には、ここからは登りの怖さとは対照的な ゆるい写真をお楽しみ頂きます。

110301_33                          直立歩行の素晴らしさよ(あぁニンゲンの気分) 。

110301_32             さぶちゃんの、『しろぷー!』の呼びかけにも笑顔で応えられます。

(が、顔は隠れて全く映らず。)

110301_38

                                 ツッテケテー♪   

下りになると、ワタクシいっつも速いです。

登りのしんどさに比べれば、下りなんてパラダイスだ♪

110301_42

                             『ほっぺが凍傷になりそうでも、快適だ。』

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今度はとにかく西穂山荘の屋根が、早く見たくって。

ずんずん歩いていきます。

110301_43                              『サムイ サムイ。はやく帰るのだーー!』

110301_44

                      『うーーん。上高地側、全く見えない。視界ゼロッ!』

110301_45

                               『 ヨシッ!早く帰って、あったまろーーーっと♪』

そしてPM15:50. 西穂山荘に無事帰着。

記念の一枚。

110301_46                                      雪ダルマと もおすけの図。

無事について、何よりです。

一人では、とても登ることができなかった冬の吹雪の西穂独標。

さぶちゃん、本当にありがとー。     

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コメント

すごいな〜

常に勇気ある撤退を視野に進むのは大事ですよね

独標到着おめでと〜
そして無事帰還がなにより大事

よく頑張ったね(サンポ風

無事に戻って来られて何よりです!

何度も言ってしまいますが、冬山って見てるだけで怖いなぁ…。
そちらはまだまだ冬なんですね。
北区は春みたいな日があったり、雪が散らついたり、この時期独特の気候です。
お昼間の日差しはポカポカしたり、春がチラチラ顔お出してますよ☆
もうすぐ桜の季節です!!

さぶ さん
もうすけさん
 独標-4の最初の画像で、執られた登攀ルートが
 気掛かりです。
 画像からの判断では、上高地側の稜線に近い側か
 斜度の有る飛騨側では、登攀難度は変わります。

 強風、吹雪、パウダースノーの吹き溜まり等、様々な
 悪条件下でのルート決定は迷います。
 
 今回の独標登攀は、今後の冬山山行の貴重な体験
 と成る事でしょう。
 お疲れさまでした〃
 私は

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