【もおすけ日記】吹雪の西穂独標・4
人呼んで、トゲ抜き地蔵とはワタシのこと。
皆様こんばんにゃ、おさるのもおすけでございます。
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先日、掃除をしていた時のこと。
トゲと言うより、木片と呼んでもいい位の大きなトゲが(結局トゲ)
気がついたら刺さっていました。
そんなに大きなトゲなのに、いつ何処で刺さったのか わからない。
毛抜きで抜いたら、端っこが残って普通サイズのトゲとなり。
最悪のパターン。
そして痛みは続く。
(近未来系・獣医さん)のDr.くりっきーに恐る恐る頼むも、いきなり針を持ち出され
ワーギャー言いながら、ビクつく私。
それでも彼は暴れる私の腕を抑え、全てのトゲの破片を綺麗に取ってくれました。
顔に似合わず、繊細な手つき。
くりっきー、どうもありがとう。
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話変わって。
昨日はまた、志賀は大雪。
車の立ち往生を含め、小さなゲレンデ事故も多いこの頃。
夕食後、社長が
社:『皆も、とにかく事故や怪我ののない様に。』
と。
ここまでは良しとしよう。
社:『トゲとか刺さらない様に。』
って。(いたづらっ子の顔つきで、私を見ながら。)
ここで それを付けますか?シャチョー。
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皆様。トゲが刺さると、小さくても結構ちくちく痛いです。
ついでにネタにもされますので、どうぞお気をつけを。
そんなこんなで、西穂独標・その4でございます。
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丸山を超えてからは、急斜の連続です。
さらに進んでいきます。
こんな傾斜で、頂まで。
あー。もうこんなとこイヤだ。
滑ったら、一発だ。
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風に煽られながら、ただもう無我夢中。
足元の緩さから言って、この急斜で掴む岩もない。
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登るのは、いい。
ただ安全に下る事ができるのか。
それを思った時に、『いっちゃん(リーダー)なら、どう判断するか。』を考えました。
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も:『さぶちゃん、あと5m登れる?』
さ:『うん、なんとか。』
も:『あと5m登って、道標が見えなかったら、悔しいけど引き返そう。
私、これ以上長くなると安全に下れる自信がない。』
さ:『わかった。』
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正直、一番言いたくない台詞でした。
寒い思いと(私達にとっては)散々怖い思いまでして、ここまで登り詰めたのに
ここで引き返すことになるなんて。
あと、ほんの少しなのに。
それでも安全に帰ることを思えば、言わなくてはいけない台詞だということ。
わかっていても、悔しいものです。
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私はこの場で待機。
さぶちゃんだけ、登ります。
吹雪でかき消されそうになる声。
ただ、危なげな足元を祈る気持ちで見つめながら。
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も:『どう?さぶちゃん!道標見えた?』
返事、なし。
も:『どう?そこから見える?』
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振り返ったさぶちゃん、無言で親指を立てました。
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も:『ほんと?ほんとにそこから見えるの??待って、そこまで行くから!』
なんとかサブちゃんのいる所まで登っていくと、道標の頭が見えてきました。
も:『あ!あった!あった!!』
何度もそう言いながら、下りの怖さなど全く考えず、ただ夢中で登りました。
やっとの思いで西穂独標、登頂。
頂はわずかなスペース。
昨秋に登った時よりずっと狭く感じられたのは、周りの雪のせいでしょうか。
この時点で、14:48分。
これから下り。
これは更に慎重さが必要となります。
寒いし、遅くなるし、登れただけで、もう十分。
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も:『もう、帰ろ帰ろ!』
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二人でそそくさと、降りることにしました。
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怖かった独標直下の岩場もずり落ちながら、なんとか下り。
とはいえ、山岳事故の多くは登りでなく、下りにあります。
なので下りの写真は、殆どなし。
ようやく緩斜面に落ち着いてから、カメラが取り出せるようになりました。
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※皆様には、ここからは登りの怖さとは対照的な ゆるい写真をお楽しみ頂きます。
さぶちゃんの、『しろぷー!』の呼びかけにも笑顔で応えられます。
(が、顔は隠れて全く映らず。)
ツッテケテー♪
下りになると、ワタクシいっつも速いです。
登りのしんどさに比べれば、下りなんてパラダイスだ♪
『ほっぺが凍傷になりそうでも、快適だ。』
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今度はとにかく西穂山荘の屋根が、早く見たくって。
ずんずん歩いていきます。
『うーーん。上高地側、全く見えない。視界ゼロッ!』
『 ヨシッ!早く帰って、あったまろーーーっと♪』
そしてPM15:50. 西穂山荘に無事帰着。
記念の一枚。
無事について、何よりです。
一人では、とても登ることができなかった冬の吹雪の西穂独標。
さぶちゃん、本当にありがとー。
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←皆様。振り返って親指を立てたさぶちゃん、ちょっぴしカッコよかったよー。
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コメント
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すごいな〜
常に勇気ある撤退を視野に進むのは大事ですよね
独標到着おめでと〜
そして無事帰還がなにより大事
よく頑張ったね(サンポ風
投稿: もっくん | 2011年3月11日 (金) 11時43分
無事に戻って来られて何よりです!
何度も言ってしまいますが、冬山って見てるだけで怖いなぁ…。
そちらはまだまだ冬なんですね。
北区は春みたいな日があったり、雪が散らついたり、この時期独特の気候です。
お昼間の日差しはポカポカしたり、春がチラチラ顔お出してますよ☆
もうすぐ桜の季節です!!
投稿: ヨネチ | 2011年3月11日 (金) 09時31分
さぶ さん
もうすけさん
独標-4の最初の画像で、執られた登攀ルートが
気掛かりです。
画像からの判断では、上高地側の稜線に近い側か
斜度の有る飛騨側では、登攀難度は変わります。
強風、吹雪、パウダースノーの吹き溜まり等、様々な
悪条件下でのルート決定は迷います。
今回の独標登攀は、今後の冬山山行の貴重な体験
と成る事でしょう。
お疲れさまでした〃
私は
投稿: Lin Bang Hong | 2011年3月11日 (金) 06時10分