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2011年5月22日 (日)

【もおすけ日記】2011 新表銀座縦走・完結編

スーパーに行くと“山で使える食材はないか”と視点がすぐそっちに走るオンナ・もおすけです。
皆様こんにちにゃ。

何か便利な食材。
何か新しい美味しそうなもの。

こういったものを、ついつい探してしまいます。
特に乾物コーナーなんて、これまではあまり行かなかったゾーンに足繁く通っていたりして。
(素晴らしいぞ、日本の乾物文化。)

で、心はもう次の山行。
山のことばっかり考えながら、山の報告ブログをします。

嗚呼これも幸せ。
の、新・表銀座縦走・完結編!でございます。

-----

も:『下山だ、下山だーーーッ!』

.
台詞の前に、江戸っ子の様に『えぇい、てやんでぇ!』って付けたくなる様な気持ちでしたが
これだけ風に吹かれちゃ、しょうがないよね。
下界でのお楽しみ事を想像しながら、一の沢を下ることにします。

I:『稜線から下がって、すぐの雪渓は急斜だからくれぐれも気をつけて。』

.
と教えてくださった親切なIさんに玄関口で見送られながら、下山開始です。
風も強いから気をつけましたが、やっぱりすごい自然の力。
稜線では、“風神さん大暴れー”って感じの暴風でしたが、一歩稜線から下がると
全くの無風。

そのギャップに驚かされます。

私達の到着後に入ってきたおじさんは『稜線に出た途端、すごい風で倒されちゃったよ。』と
横風に煽られたのでしょう、左耳の所にタオルを当て、結構な血が出ていました。

も:『この無風と爆風のギャップじゃ、油断しても仕方ないよね。』

.
と3人で頷くほど稜線の荒れ模様とは一転、谷間は静かでした。

雪渓の取り付きも、白馬の大雪渓の万年雪(秋口はかなりアイスバーンで怖かった)に比べたら
傾斜もそれほどではなく、無事通過。
ただ、二日前に雪崩れたと言う雪崩後のデブリがすごかった。

正に全層雪崩。
谷間全ての雪が雪崩れています。

110430_31                 上の方からずずずぃーーーーーッと、大きな塊だらけ。

デブリの横を通るリンちゃんと

110430_30                         すげーー。

デブリが凄過ぎて、小人のように見えるもおすけ。

110430_29                         雪崩、おそるべし。

デブリとさぶちゃん。

110430_32                              来てみ。コレすごいよ。

雪崩は、両側の木々をなぎ倒し、更に地面まで削りながら流れていったのが

爪痕からもはっきりとわかります。

110430_36                     凄過ぎる両側の雪崩の爪痕。

雪崩れた後の斜面を見た事はありましたが、これだけの雪崩とそしてデブリを見たのは初めて。

そしてそんな雪崩後の山を歩くのも初めてでした。

110430_33                 すべてかなり大きいです。大きな塊では、車一台分ほども。

この雪崩は数キロに及んでいたので、雪道の約半分はデブリ道でした。
それからは、雨が降って、雷が鳴って、雪道のトレースが雪が解け落ちてなくなっていたり
増水した沢を渡ったり、腐った雪に足を取られたりで、結構しんどかった。

.

さ:『晴れに曇りに雨に雪に雷。それに暴風。一日の中でこれだけ変わるなんて凄いよね。』

も:『うん。今日はお天気のフルコースだよ。』

.

樹林帯に入ってからの雷は、距離こそあると分かるものの、それなりの大きさの音だったので
怖かったです。
雷の恐ろしさは、白馬山荘でイヤってほど聞かされていましたからね。
雷と雪崩ほど、怖いものはない。
私はそう思っています。

それからは、

やれ餃子とチャーハンが食べたいだの (もおすけ)
やれ杏仁豆腐が吐くほど食べたいだの (リンちゃん)
とりあえずはビールだ、だの        (さぶちゃん)

見えないゴール(登山口)に飽きてきた私達は、そんな話ばかり。

110430_37                    こんな道では、食べ物の話をするに限る。

濡れて滑って、うだうだになりながら思っていた以上に長かった夏道を
ようやく降り切って登山口へ到着。

呼んでいたタクシーの運転手さんに待って頂き、ずぶ濡れのアウターを脱いで着替えて
タクシーへと乗り込みました。

それからは、リンちゃんの車のある中房へ行き、
リンちゃんの車で沢渡にあるさぶちゃんの車を取りに行って
松本の街で、3人で打ち上げ。
それこそ“ガブガブ”二人はビールを飲んで、山ほどのご馳走を食べ
次の山行の計画を立て、
ゴキゲンで車に戻り、車中泊。
車の中でマトリョシカになって(つまり寝袋にもぐって)爆睡。
縦走遂行できなくなるとわかるや否や、やさぐれていた三人とは思えないほど
とっても楽しい夜を過ごしたのでした。

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今回の縦走が、完結できなかったのは残念でしたが

見たかった表銀座からの眺望が楽しめたこと、
あんなに大きなデブリを、間近に見ながら歩いたこと。
そして結局テントは使うことなく歩荷しただけで、単なる重いだけの荷物と化してしまったが
燕岳で小屋泊まりになったお蔭で、みさわさん御夫妻やリンちゃんとお友達になれたこと。
そのどれもが、私にとってはご褒美的出来事に思えます。

中でも、滅多に経験できないであろう爆風に遭ったことは、
晴天の山だけでなく、いろんな山の表情を知っておきたいと思う私にとっては
凄く貴重でいい経験ができたな、と思っています。
あれが毎回じゃあ イヤだけどね。

ちょうど一年前。
初めてテント・大型ザック・ストック・クッカーを買い込んで、屋久島にオンナ二人で初縦走。
全てがドキドキものでした。

で、一年前の冬。
山を始めたばかりで何も持っていなかった冬山装備をアイゼン・ピッケル・ワカン・ハードシェルに
ビーコンまで買って、二ヶ月続きの30万円程のカード請求にひっくり返りそうになりながらも
ウキウキで登った初めての雪山。

そして気がつけば、夏山開山!とばかりに全てを詰め込み、残雪期の新表銀座縦走へ。
いまだに『こんなこと、自分でやってるなんて信じられない。』と本気で思っているんだけど
きっと10年後も、変わらず同じ台詞を言っている様に思います。

不思議なのですが、それ位 冬山をしている自分が信じられないのです。

でも、行けば行くほど 楽しいお山。
どんどん増えるお友達。
これからも、ずーーーーっと楽しい山登りだから、
ますます“わくわく”のもおすけでした。

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.山登り」カテゴリの記事

コメント

みさわさんへ

ほんと、テントは一番のボッカでした。
でも、燕山荘が小屋泊になったお蔭でこうして出会えたんですもんねー。
そう思うと、小屋泊で今回は正解だったなと思います。
テントで宴会。
キャンドルの灯りでしたいなー。

遅くなりましたが、お疲れさまでした!
縦走完遂とはならなかったかもしれませんが、無事上高地へ下山できて本当によかったですね。

今回、お会いできて本当に嬉しかったです。
お互いテントが完全にただのお荷物でしたがww
また是非どこかの山へ行きましょう!
その時はテントでのんびり宴会したいですね(。・_・。)

まこっちんへ

ほんと、雪崩直後の光景を見ると、ぞっとします。
コレだけの雪が一気に流れていたら、助かるかな・・・って。
自然の力ってすごいですよね。

雪崩って凄いよね。
私が見た一番大きなものは、針ノ木沢上部から扇沢に向けてのものでした。

撤退は仕方がないとはいえやはり残念やね。
でも山はいつもそこにあるから次回に期待しましょう。

Linさんへ

前回も今回も、壁紙は既製のものを使っているので撮影場所や植物の名前などは、私もわからないのです。ゴメンナサイ。

雪崩はあの量で表層雪崩なんですか。
雪崩はじめのところは、殆ど雪が残っていないほど(土が全て見えていたわけでもないのですが)えぐれていたので、全層かと思っていました。
すごいですね、雪崩って。

聞き忘れております。

 もうすけ日記の壁紙が雪景色から新緑のリーフの画像に変わっていますが、
Hさんに、何の植物の葉っぱか教えて下さる様お願い下さい。

 信濃では似た葉っぱに、えんじゅの木(日本家屋の和室の床柱や床框)等に使用される銘木があります。

  

一ノ沢上部からの雪崩ですか?此の雪崩発生時の音響は沢に反響し、さぞ凄かった
 事でしょう。
 画像からは、表層雪崩の様に思います、多分一ノ沢上部の新雪全量が流れたのでは
 ないでしょうかデブリに土砂類の巻き込みがなく巨大な雪だるまであるから、


 稜線での降雨でなく何よりでした。・・・・・幸運でしたね〃

 乾物食品の件で、信州特産の“凍り餅”は、如何でしたか?感想を聞かせてください

さとちゃんへ

車麩!いいかも~♪
小さい麩は好きじゃないけど、車麩は大好き!
それよりも栄養価も考える辺り。
さすがサトちゃん博士ですな。ふむふむ。
山ご飯レシピ、考案します。

乾物屋、最近注目中。
車麩使ってのなんちゃって角煮とか水だけで食べれるはったい粉とか。
どこでも使えるわけではないけれど、
使えるパートさえ間違えなければ素晴らしい高たんぱく質食材です

さぶちゃんへ

こちらこそ、美味しいネタをありがとう♪
さあ!
次は蝶だ。
忙しいぞ。

しろぷー姉ちゃんお疲れさま(^_-)-☆
縦走も疲れたけどブログも『パート10』まで書くの疲れたでしょ( ̄▽ ̄;)

これからも山にブログに頑張ってね〜(^O^)/

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