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2011年7月14日 (木)

もおすけ日記 裏銀座縦走・2

縦走初日は、宿泊者が私だけという去年の初テント(開聞岳のキャンプ場)に続き
寂しさ満載で一晩を過ごしたもおすけです。
皆様ごきげんよう。

でもね、さぶちゃんたらひどいから、

さ:『どうせすぐ、あっさり順応して“裏銀座サイコー♪”とか言うんでしょ。』

と、当たらずとも遠からずな(いやむしろ当たり)お言葉を頂きました。
う~ん、段々と私のことが読めて来たさぶちゃん。
油断ならない存在です。

で、もおすけの裏銀座縦走報告の二日目です。

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2011 7月7日 曇りのち雨&強風

4時に起床で、AM5:30分出発。
よし。時間通りだぞ!
いいぞ、もおすけ。

カレーと焼き米、おやつのパンの分だけ軽くなったザックを背負って
さくさくと、コースタイムより早く野口五郎小屋に到着。
昔からある北アルプスの山小屋って感じで、風情があっていいですね。

110707_2

ここでも三俣山荘で働くという旨を伝え、ご挨拶をしたら
ご主人さんは、コーヒーでも飲んでいきなさい、と
またしてもご馳走になってしまいました。

110707_3               もんきち先生とレトロな雰囲気がよくお似合いで。

で、AM9:00に小屋を出発。
山頂で道標だけ撮って、真砂岳へと向かう。

やる気のない写真の撮り方をした一枚(証拠写真的ね。)

110707_4_2

で、もおすけ、ここで道を間違える。

30分ほど若干視界の悪い中、なだらかな稜線を降りる。
岩場の○×印がないことを気にしながら・・・。
でも、砂場に降りきった後で振り返っても、やっぱり印がない。
そして砂場が踏み固められていない。
やっぱり間違えた!

コンパスで確認しても、やっぱり違う。
ここから雨と霧の中、登り返しました。
再び真砂岳稜線に戻り、目を凝らすと一瞬だけ霧が晴れて野口五郎岳が見える。
コレで現在地がはっきりと分かったので、再びコンパスを用いて
目的地の方角を定める。
どんなに霧が濃くても、コンパスの向きに歩いていけば目的地に着ける、
と言う安心感は素晴らしい。
というか、コンパスって素晴らしい。

今回、初の25000分の1の地図に磁北線と尾根筋・沢すじを書き込んだ地形図を持ってきたのだ。
こっちを読んでいると、登山地図よりも分かりやすく感じてくるから不思議だ。

でも、雨と風はどんどん強くなってきて、またしても過酷。
一瞬、大天井岳の苦行が頭をよぎった。

それでも頑張って、水晶小屋に到着。
でも残念なことに、小屋明けは10日から。
一瞬ほどの小休止と、地図確認をして再び出発。
でも、風が更に強くなる。
ここでまた、一瞬道を間違える。
雨が強いと、登山道か水の道なのか分からなくなってくる。
強風で、足元だけを見て歩いていると、歩きやすいほうに降りてしまい
すぐ間違えてしまう。
で、登り直して軌道修正。
この稜線上の雨と風で、体力をかなり奪われました。

も:『水晶小屋脇で、一泊テントでビバークしようか…。』

本気でそう考えました。
小屋横なら風も少しは凌げるし、明日の通行客もいるかもしれない。
何より現在地はハッキリしているし、水も食料も十分にある。
一人でビバークすることに、何の不安もなかった。

でも。
この天候が3日間も続いたりしたら。
また、明日以降の天気もわからない。
9日か10日には三俣山荘に寄ると伝えてあるので、到着しなければ心配されてしまう。

まだ時間は正午。
結局、雨で更に重くなったザックと強風に耐えながら
雲ノ平まで進むことにしました。

でもでも。
分岐点で雲ノ平に降りかけると、谷筋は雪渓が。

も:『木道やこの先の夏道も出ていなかったら、雲ノ平は分かりにくいだろうな…。』

何せ視界は霧で遮られています。
霧の平原ほど、迷いやすいものはないので怖い。
とっても怖い。

もおすけ、またしても変更を余儀なくされ、岩苔から三俣山荘へ向かうことにしました。

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雪渓の下には轟々と水が流れていて、どこがモナカ(空洞化)しているか分からない。
そして雪渓のせいで夏道も途切れ途切れ。
足元の雪渓にばかり気を取られると、間違えた沢すじを降りてしまいがちになります。
その怖さは、白馬山荘でよく聞いていたので
とにかく降りながら必死になって夏道の先を探します。

コンパスを使い、
夏道を見つけては大雨で川となった道を歩き、
雪渓で隠れている所は、滑りながら草の上を通り
前にも後ろにも、何度も滑りながら転びながら
ようやく黒部源流碑まで到着しました。

もう、全てのものがびしょ濡れです。
ザックはもちろん、服も靴の中も下着も全てです。
それでも源流碑まで到着すれば、後は登るだけ。
現在地が合っていることに、とにかくホッとしました。
ザンザン降りの雨の中で、雪渓の上でコンパスを見る心細さ。
その不安感が無くなっただけでも、十分に元気が出ました。

ここでようやく水を3L分捨てて。
よし、これでコースタイム40分の道を30分で登れる!
あとは川となった登山道を歩くだけです。

15:30分。
予測どおりラスト30分で登り、よーーやく三俣山荘に到着。
喫茶室の明かりが見えた時、嬉しさと安堵感で鳥肌が立ちました。

ずぶ濡れネズミのもおすけは、上記の旨を説明し 挨拶。
今日は三俣さんに泊めて頂くことにしました。

若主人の奥様(現在水晶小屋で働いておられます)が、温かいココアとチョコを出してくださり。
とにかく安堵感いっぱいで、荷物を乾かしました。

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今回、コンパスと地形図がなければ不安と心細さと、そして現在地が分からない恐怖感とで
精神的にパニック状態になっていたかもしれません。
どんなに霧が濃くても、景色が暗くても道がなくても
コンパスがあって現在地が分かれば、不安は驚くほどに解消されます。

ス:『慣れれば、地形図は分かりやすいですよ。』

と、今回の縦走に地形図を持っていくことを進めてくれたICIのスタッフさんに
大きく感謝です。

雨で重くなったザックは、24kgを超えていたでしょう。
山荘に入ってザックをおろして歩いたとき、背中のおもさが無いせいで
体がしばらくふわふわと左右に揺れて、うまく歩なかった程でした。
(浴衣の下駄を、脱いだ時の感覚のよう)

とにかくこの日の山行は、単独行にもかかわらず過去最大に集中し
冷静に対処した一日で、自分でも大きく成長したと感じられたました。

 110707_5          もんきち先生も、お尻を乾かしてね。

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コメント

おはようございます。
朝から手に汗握ってしまいました。。。

私も10年位前に、烏帽子から水晶、双六まで、ずっと強風と
霧に悩まされた記憶があります。
ここの風、スゴいんですよねー。
ついに双六でテントのポールがくの字になっちゃいましたよ。。。

おつかれさまでしたー。
小屋に着いてホッとされたでしょうね。

停滞してるとおもったのに~

ぐぁっつり行動してたのね


ちなみにその日14時まで三俣山荘にいました

そのストーヴには同じく助けられました
7日はほんとすごい雨風だったよね

また三俣いきます!

ハラハラドキドキしました。
無事到着よかったですね。

はじめまして、きとらと申します。


昨年は白馬山荘のブログのお陰で
大雪渓~栂池ルートを
息子らと楽しく走破できました。
ありがとうございました。

その後のブログも楽しく拝見させて頂いておりましたが
昨夜、新しいブログを発見致しました。(^^)/

一時はもう山に登らいないのかな~と
寂しい思いにもなってましたが、安心しました。
やっぱりよく山がお似合いです。

またチョコチョコ拝見させて頂きます。

くれぐれも無理だけはなさらない様に・・・

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