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2011年8月 5日 (金)

【もおすけ日記】歩荷で初負傷・1

そんなわけでワタクシが、体を張ってブログネタを作っているもおすけです。
皆様ご機嫌いかがですか?

先日、くじいた足を休息させるべく鷲羽岳山頂にてご報告した通りですが。
やっぱりしっかり足首を捻挫しておりました。

詳細は以下のとおり(そして本日のブログネタ~)。

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2011年 7月26日 曇りのち小雨

視界が悪く、ヘリでの水晶小屋への荷揚げが出来ない日が続く。
こうなると一番大変なのが、やっぱり食料。
従食(従業員食)はおろか、多めに荷揚げした大切な客食(お客様用の食事)も
底を尽きて出せなくなってしまう。
そんなわけで、前回ぎりぎりの時間で荷揚げが出来た三俣山荘から水晶小屋へ
食材をボッカ(歩荷)することに。

荷作りを任せ、もおすけは自分のおにぎりを作る。
アメ車並みの燃費の悪い私は、当然おやつも頂く。
でも、この日のボッカ重量は12~13kg。
決して重くはない量です。

おにぎりを作っている最中からお腹が空いていた私ですが(AM10:30にして)
折角だから腹ペコを我慢してでも、鷲羽岳山頂でお昼ご飯にしよう!
そう決めると、山頂への道のりも更に楽しみに。
ヘリが荷上げできないとほぼ決定されてからの歩荷スタートなので、
小屋を出たのは、AM10:50.
水晶小屋へと向かいます(この時間からですが、もちろん日帰り)。

いつもならブログ更新の為に駆け足で登る鷲羽岳ですが、今日は慎重。
だって、生卵を担いでいるのですから。
いつもよりゆっくりペースで登ります。

山荘から55分で鷲羽岳に到着。
ここでおにぎり二つ、おせんべいにゆで卵。
チョコをかじって、しっかり食べて。
出発です。

ちなみにワタクシ、なんとこの日が鷲羽岳山頂、初ピーク。
今まではブログ更新を最優先に、電波が入るギリギリの標高を見つけては
登山道の端に座り、そこでPCを開いていたのです。
嗚呼、なんて不思議な光景。
なもんで、この日が鷲羽岳初登頂。
背負子に提げたネギやゴボウと共に初登頂なんて、なんて山荘バイトチックなんだ。

110726_        背負子には山積みダンボール。脇にはネギとゴボウ。これぞ新しい山ガールスタイル。

この時間帯の鷲羽岳周辺では、沢山のお人があちらこちらへと通過していきます。
水晶方面からのお客様に『もう少しで山頂ですよー。』などとすれ違い様に声を掛けながら
歩く私。

快調に歩きながら、ワリモ岳を過ぎる。

と、ここです。

なんてことない平坦な道で、岩に左足を置いた途端。
バランスを崩して、左側にグラつく。
前に膝を着く正座スタイル形の礼儀正しい転倒(!?)に。

そして。

左足首から先が、あらぬ方向を向いて
そこにもおすけ&ボッカの重量全てが乗ってしまいました。

まんま漫画・岳の一コマの画だった(ほんとに脳裏によぎった)。

実は、山荘を出る前に持ち上げた時『左側に重心が寄っているなぁ。』と思っていたのだ。
でも、山荘を10:50分に出て天候が崩れる予報の中での日帰りを考えると
荷解きして、締めなおす時間はありせんでした。
それがまさか、こんな所でそれが裏目に出ようとは。

も:『アイタタタ。』

正座から最敬礼のお辞儀をするように、地面に手を着いて
腿の下の左足を救う。

も:『あーー、捻挫しちゃったかなぁ。歩けるかなぁ。』

忙しい時間を縫ってのボッカである。
携帯無線を持って来ているが、当然スタッフに救助なんて呼べない。
と言うよりも、そんなこと恥ずかしくって出来ない。
立ち上がって最初の二~三歩は痛かったけど、うん、これなら歩ける。
子供の頃、よくあった“転んだ”程度だった。

そこからワリモ分岐を越えて、水晶小屋へ向かう。

途中、すれ違ったお兄さんに道の状況などを聞かれました。

お兄さんは双六小屋までを希望していましたが、現在時刻14時を考慮すると
遅くとも16時までに小屋に到着は、ちょっと厳しいかも。
天候の崩れも心配だけど、軽快そうなお兄さんの足取りなら…と
説明をして、無理はしない程度にと伝える。
お兄さんは双六の後、槍を通って下山するコースのようだった。

西鎌尾根のことを聞かれたが、私も通っていないルートだし
その辺りのコースは、三俣山荘にはあまり入ってこない情報なので
最寄りの小屋での情報収集を勧めて別れました。

歩いていても足の痛みは大した事なかったが、それよりも左側に括った根菜たち。
この子達が大問題。
新聞紙だけでくるんでいるので、湿気で破れた新聞紙から
ネギは下にずり落ちてくるわ、温度にやられたゴボウはグニャリと曲がり
私のおニューのノースさんの白シャツと、これまた同じくおニューのパタさんのパンツに
上から下からと、沢山の泥をつけてくれる。
足首なんかよりも、こっちの方がずっとストレスだった。

ずり落ちる根菜を左手で救い上げながら歩くものの、
歩きにくい事この上ない。

も:『えーーい、客食なのか従食なのかわからんけれど、これ以上無理ッ!』

と、ゴボウを素手でポキリと折り、半分にして脇に差し込む。
これで全ての根菜もずり落ちなくなった(アタシってば完璧)。
で、コースタイム3:20分より速い2:45分で水晶小屋に到着。
おにぎりタイム&お兄さんとの談笑を入れて、この時間なのだから
まあ山荘に“遅い!”と怒られる時間ではないか。

小屋に着いて、まず卵を確かめる。
この子達は全員無事だった。
ホッ。
背負子を降ろした時に、ずり落ちたネギの尻尾が折れたこと、
ゴボウを真っ二つにへし折ったことを謝りましたが、
水晶小屋の圭さんは、温かくい笑顔で許してくれました。

三俣で一泊だけ一緒だったナミちゃんにカルピスを頂き、しばし休憩。
初めての水晶小屋は、綺麗でかわいく、とても風情のある山小屋でした。
前回は、暴風雨でこの上ない寂しい景色の中、外観だけでの通過でしたからねー。
とても小さな山小屋&天水のみの水供給なので、宿泊者が多いと運営的には
本当に大変な山小屋のですが、実に泊まってみたい山小屋さんでありました。

あ:『休暇の時に、泊まりに来てねー。』

と、奥様のあつ子さんに言って頂き、軽く転倒した旨を伝え、
テーピングをしてストックを借りて帰路へ向かいます。
本当なら、不要の段ボール箱をボッカして帰る予定だったのですが
足の無事を取って、荷下げはなし。
役立たずですみません m _ _ m

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行きは転んだ後も元気に歩けたのに、時間が経つと足首が固まってるのか
びっこで左足をかばっても痛い。
うそー。
これなら帰るのに どれだけ時間がかかるのー?などと自分に突っ込みを入れながらも歩く。
でもしばらくすると、庇いながらでも普通に歩ける様になりました。
岩場の通過だけは、慎重に…。

ワリモ岳分岐、ワリモ岳山頂と難なく通過して、鷲羽岳山頂に。

も:『うーん、行きはここでご機嫌だったのになぁ。』

などと思いながらも、これから先のガレ場での下りに向け、しばし休憩。
(と、ここで先日のブログ更新をしました。)

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さて、下り。
予測はしていたけれど、休憩を取って時間が経つとまた足首が痛くなる。
何でだー?
捻挫なら、歩き続ける方が負担なはずなのに、休むと痛くなる。
でもゴールは見えているし、道もわかっているからガスっていても心配はない。

も:『とにかく一歩づつ歩いていけば、いつかはゴールにたどり着く。』

とは、前回の烏帽子~三俣山荘縦走で学んだこと。
またしても、三俣山荘間での道のりを、心細い思いで降りていく。

も:『あー、ここで犬笛吹いて ニッシーが来てくれたらなぁ。』

などと、自分で怪我をしておきながら、厚かましくもニッシーをアッシーくん状態に位置づける。
(この性格だから、罰が当たったのか?)

遅い到着を心配して、奥様(支配人夫人)が、水晶小屋に無線を入れる。
その会話が聞こえたので、私も無線でコールする。
私の携帯無線には、二人の会話がクリアに聞こえるものの
山荘無線には、電波の入りが悪いらしく、私の会話が綺麗には聞き取れないようだ。

奥:『無事なら無線はいいから、ゆっくり帰ってくるように。』

と、奥様の声が聞こえる。

何でこんな情けない怪我をしちゃったかなぁ。
明日から山荘は忙しくなると言うのに。
それよりいつもなら、20分で駆け下りてるこの道、どんだけ時間かかってるのよ。
あーもー、どうでもいいけど、

寒いよ。
痛いよ。

結局、ストックと背負子を松葉杖代わりにして、1時間かけて山を降りる。
霧が晴れた鷲羽岳の中腹から見えた、三俣山荘の赤い屋根と暖かそうな灯り。
前回同様、本当にホッとして嬉しかった瞬間でした。

やっぱり山小屋の屋根は赤でなくっちゃね。
灯りと暖(温もり)って、本当に人を幸せにするよね。

そんなことを噛みしめながら、やっとの思いで着きました。
もおすけを見つけた奥様は、二階の展望階段から駆け下りてくれて
すぐさま岡山&香川大学の診療班(医局さん)に見てもらうように勧めて下さいました。

皆に迷惑かけちゃって御免なさい。
痛みよりも、みんなの心配してくださる顔で心の方が痛かったもおすけでした。

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コメント

■もっくんへ

お友達、白馬がきっかけでお山にはまるなんて最高に嬉しいお話ですね。
正に、『お山の世界にようこそ!』です。

秋の奥穂も楽しそう~。
写真、後日送らせて頂きますね。

■まこっちんへ

後遺症、絶対に残したくないんですよね。無理かなー。
完治後のケアってなんでしょう。
ほんと、悔しいです。

山の途中での捻挫は厳しいよね。
私も気を抜いていて常念山頂の岩場でおもいっきり捻挫してしまい、三股までの急な下りはびっこひきながら降りたので時間がかかり同行者には迷惑をかけてしまった思い出が・・・。
靭帯は治るのに時間がかかるし、治ってからのケアも大変なのでくれぐれも無理しないでね。
私も膝の靭帯やってから未だに負荷がかかったりつかれがたまると痛んだり動きにくくなったり大変です。
楽しみのお散歩はしばらくは小屋の周辺だけにするようにしてね。

捻挫、大丈夫ですか?
前回のブログ以降、しばらく更新がなかったから忙しいのか足の具合が悪いのか、少し心配だったのですが…。

ただ、このブログ更新したということは電波の届くところまで歩けたということなのかな?
早く治して秋以降の縦走に備えてくださいね。


そうそう

白馬山荘の後日談なのですが、この前一緒にいた連れはすっかり山にはまってしまい、今度白馬に自分で計画して行くそうです。
(前回ピークが踏めなかったのが悔しいみたいでして・・・)
僕は 8 月中多忙につき、9 月頭に短い休みを取って奥穂に行く予定です。
それと、下山してからで構わないので、山荘で撮った集合写真を送ってくれるとうれしいです。

山小屋生活、どうぞお気をつけて。

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