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2012年2月

2012年2月25日 (土)

【もおすけ日記】厳冬期・ソロ八ヶ岳テン泊山行・1

先日の丹沢・塔ノ岳山行。下りの大倉コースは大層楽なものでした。

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も:『これなら大倉コースのピストンでよかったじゃん。』

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だって今日は、千葉まで行かなきゃ行けないハードスケジュールなのだから。

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さ:『ピストンってつまんないから、やなんだよ。』

も:『だからって、わざわざ時間のない今日にヤビツからでなくても。』

さ:『いいんだよ。オレは登りたかったんだ!』

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と言うさぶちゃんのザックは、ボッカの為にシュラフなんか入ってて軽く20kgは超えていました。

こんな時に、とは思いましたが先日私もさぶちゃんの思いを実感。
もおすけです、皆様こんばんは。

そう。今回は、満を持しての“厳冬期・テン泊ソロ八ヶ岳”のご報告です。

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前回の塔ノ岳から一ヶ月近く。
その間私は山に全く行けませんでした。

こうなると、やさぐれる。

自分では気が付かぬうちに、やさぐれる。

体はなまるわ、体力は落ちるわ、ストレス溜まるわ。
しまいにゃ『あー、こうして私山に登らなくなっちゃうのかなぁ。』なんて思ってしまう程。
さぶちゃん、いっちゃんとメールでやり取りしても、気分が滅入ってローテンション。
“すね寝”する始末です。

嗚呼、さぶちゃんの気持ちがわかる。

たかが3週間でそうなってしまう私。
大袈裟な、と皆さんお思いでしょうが、その位 私には山が必要の様です。

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2012年 2月18日 雪

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仕事が終わって、そのまま帰宅せずに車を飛ばす。
目指すは八ヶ岳登山口・美濃戸口。

こう書くと、いつものようにワクワクしてるとお思いでしょうが、さにあらず。

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・夜で、暗くてわかりにくい道。
・真っ暗で鬱蒼としてて、怖い林道。

これだけで十分、行く気が失せます。
就業終了時間が近づくにつれ、『嗚呼、行くのかぁ。大丈夫かなぁ。いっそのこと
明らかに行けないくらいに雪が降ってくれたら良いのに。』

などとネガティブなことを思ってしまう。
まるで予防接種の日に『熱が出て、学校休めたらいいのに。』と願う小学生。
(実際健康そのものだった私は、発熱で注射を避けられたためしがない)
読んでいる皆さんは、行きたいんだか行きたくないんだか、わからない事でしょう。
自分でも思います。

上記の不安要素に加え、

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・一人で行って、ホワイトアウトしたらどうしようか。
・登山道の出ていない雪道、道迷いしたらどうしようか。
・家にいたって寒いこの季節、薄いテント一枚の夜空、何で過酷なことわざわざするのか。

どう考えたって、楽しみよりマイナス要素の方が多い雪山のソロ山行。
それでも何故行くのかといわれれば、『人に頼らない登山』が出来る自分になりたいから。
いつでもどんな時でも自分で判断できるようになれば、不安も少なくなるし自信にも繋がる。
行ける山だって増える。

なんて思うものの、ソロ山行の出発前はいつも最高にブルー。
誰かと一緒だったら、それだけで楽しい山なのにな。

などと思いながら、ブルーなまま車を飛ばす。

あ、ちなみに日常では人サマに頼りまくりです。
ジャムのビン一つ開かないだけで『今度誰か来たら開けてもらおう♪』と言うほどの他力本願。
なんでも一人で出来ちゃうほど逞しいオンナではありませぬ。

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閑話休題。

私の大きな不安要素・登山口までの運転は、予想通りに一回迷ったものの
なんとか到着できた。

ようやく気分も少し上向き。
前回、阿弥陀岳分岐で出会ったお兄さんの言葉、『折角だから、楽しんでくださいね。』
という言葉を思い出す。

そう、どんな状況も楽しまなくっちゃね。

寒いながらも大好きな車中泊で、一夜を過ごす。

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5時に起床。
夜中から朝までの間に車がかなり増えていた。

起きてお湯を沸かす。
車の暖房を入れる。
暖かい時間も これで当分ないのだから(一泊だけだけど)、と思いながら。

朝食を取り、食後のコーヒーを飲んで準備をする。

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今回の一番の目的は硫黄岳。
前回、雪の赤岳を登ったから、今回は硫黄岳に行ってみたい。
そして行者小屋でのテント泊。
有人小屋でない場所でのテント泊に、トライしてみたい。

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入り口でコンパスを合わせ、出発!
これまた初めての南沢ルートで行者小屋を目指す。
このルート、個人的には赤岳鉱泉北沢ルートより歩きやすくって好きです。
・・・って、雪が多くて岩が隠れてるから歩きやすいだけかな。

コースタイムより若干早い時刻で行者小屋に到着。
まずはテント設営を。

と、ここに来て事前の準備を怠ったことを少し後悔。
割り箸ペグを作っておかなかったのだ。
わかってはいたんだけどね(後悔することを。)

この時、気温-18℃。
寒いなんてもんじゃない。
手袋をしてても、指先の感覚がなくなる。

ダメ人間の自分に反省しながら、割り箸と麻紐でペグを作る。
そしてなんとかテント設営。
雪が入り込まないように、テント内に荷物を入れる。

今回はワタクシ、岳人二月号で書かれていたことをきちんと実践して、
きちんと雪山登山が出来る人になろう、と言う目標があるのだ!

とか言いながら、風がないのをいいことに適当な雪の塊をアンカーにして張り綱を張る。
いいのか?こんなで(笑)。

ザックの中には、食料とサーモスだけ入れて再出発。
寒さのあまり、時間が押してしまった。

AM11時だ。
でも今日のアタックは、赤岳。
天気がいまいち。時間も押してる。
まあ今回の一番目標は硫黄岳だから、無理のない程度で登っていこう。

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真冬の八ヶ岳は半端じゃない寒さです。
よく“冬の八ヶ岳は冷凍庫みたい”といいますが、冷凍庫じゃないです。
業務用冷凍庫です。
昼間でも-20℃近いここは、景色も業務用冷凍庫そのもの。

120218_                               なんと寒々しい景色だろうか。

今回は、本当に一人。
前回のように、前に人が歩いているなんていうこともない。

周りの景色をなるべく見るようにして(記憶させて)歩く。
トレースはしっかりあるけれど、冬の天気はいつ急変するかわからないからね。

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稜線に近くなったら、やっぱり風が強くなってきた。
12月の時とは、明らかに雪の量も増えている。

そして空はどんどんグレーになってきた。

さっきまで綺麗に見えていた阿弥陀岳も、ほらご覧のとおり。

120218_3                             不安色いっぱいの風景でございます。

前を見れば、角度を強めた斜面。

120218_2                            でもまだこの辺りはましでした。


寒い。

『寒いと凍傷になってることに気付きにくいから、気をつけてチェックするように。』

と書かれていたけど、風が冷たすぎて頬の感覚がなく素肌が露出していないか、
バラクラバできちんと覆われているか、なんてわからない。
その位寒いのだ。

指先の感覚だっておぼろ。

先に進めば、握ると指の体温を奪われるほどの冷たい鎖が(それでも雪に埋もれずあるだけ有難い)。

そう、ここから正念場の始まりです。
                      
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以前の吹雪の西穂独標の時に比べれば、危険さは少ない。
でも、足運びだけはきちんとしなきゃ。

そうこうするうちに、ここからもう少し登れば階段というところに着いた。

その先に岩場。右に巻き込むように登っていくと山頂。
ただ、空の色がいっそう暗くなってきた。

私の先を行っていたおじさんは、ここで引き返すと言う。

PM13:18.

山頂まで登って降ると16時。
時間的にはまだ暗くならないけれど、14時半を回ると天気は急変しやすい。
特に荒れやすい。

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少し迷ったけれど。

どこまで出来るか行ってみよう。

そう思い、誰もいない雪山の先を進むことにしました。

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標高を上げていくと、風はどんどん強くなってきた。
そしてもちろん寒くなっていく。

久しぶりの山で、テン泊装備を担いできた疲れがここにきて足に来る。
ああしんどい。

ただ、前回の時のような心細さは、不思議なことにあまりなかった。
風が強くても、誰もいなくても先に進める確信もあった。

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でも。

雪も強まり、空は更に鈍色となり尾根筋のここは風が強く、
振り返ると自分の歩いてきたトレースが、もう既に消えかけていた。

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比較的なだらかな尾根筋。

トレースがなくなると、帰り道がわからないばかりか、踏み固められていない所を歩けば
この傾斜・この風では大事故につながる。かなり危険。

そう思いつつも、この風、この雪量なら登り切れそう。
でも時間が際どい。

いろんな事を考えていたら、前方に降りてくる人影を発見!

120218_4_2                              殆ど見えないでしょうが、岩影に人がいます。

なんとか岩場まで登り、話しかける。

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も:『あと頂上まで、もう少しですよね。どのくらいですか。』

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わかっていても、聞きたいものです。
おそらく30分、この天気なら45分くらいか。

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お兄さん:『30分から1時間くらいかなぁ。』

も:『やっぱりそうですよね。』

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そして1時間くらいと言われた時点で、山頂の天気のハードさが伺える。

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降りよう。

素直にそう思えました。

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も:『降ーーーりよっと!無理しても仕方ないもんね。ありがとうございます。』

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皆にも私にも、きちんと無事に降りて帰る義務がある。
『お母さんを悲しませるようなことをしてはいけない。』と、何故だか一番にそう思ってしまいます。
(父と思わないのはナゼダロウ。お父さんゴメンョ。)

9合目あたりで撤退です。

     120218_1_4                               この先の景色はまた次回に。

 

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『ここが一番 風がきつい。』と言うお兄さん達二人は、地蔵尾根からのコースでした。

遅い私はお二人に道を譲り、慎重に降っていきます。

さっき歩いたアイゼンの後はすっかりなくなっていて、この判断は正しかったと思いました。

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も:『あーー、テントに着いたらあったかいココアを飲もう。』

下ると決めたら、考えることもすぐに変わります。

ついさっきまでは、この先の道の状況(この後岩場くぐったよなぁとか、あそこの巻き道 風が強くてもいけるかな、とか)や
何度も時間計算とか天候の予測とか真剣にしていたのに、

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も:『あ、帰ったらチートス食べよ。』

とか、

も:『カフェ・オレとハーバーもいいなぁ。この時間ならシュラフにくるまってお昼寝もできるな。』

とか、すっかりお気楽なことばっかり考えています。

それでも事故は殆どが下りに起きるし、風でバランスを崩すと転倒→滑落なんて一瞬なので
気を引き締めながら安全な所まで慎重に。

標高が下がれば、“やっぱり”風は弱まって。
ようやく辺りの景色も目に入ってきました。

稜線上を歩くお兄さん達。
やっぱり山って男の人の方が絵になるなぁ。

120218_5


樹林帯の中に入れば、体も心も一安心。
寒さもずいぶん和らぎます。
お兄さん達は、撮影&小休止をするということでシャッターを押してあげました。
そしたらもおすけのカメラもシャッター押してくれました。

120218_6                          上から撮ると、愉快な人形みたい。

相変わらず、ちっとも絵にならないわね 私。

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お兄さん達のお蔭で、怖い下りも心強く降りることができたのでお礼を言ってテント場に戻る。
着いたらホッとして、アイゼンも外さずベンチで温かいお湯&お菓子で休息。
そしたら先述のお兄さん達も到着し、少し話をしました。

なんでも今日は、日帰りで地蔵尾根→赤岳山→文三郎尾根→下山で帰宅とか。
やっぱり男の人は体力が違うなぁ。

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兄:『いや、女性一人だけでテン泊山行も充分すごいですよ。』

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と言ってくれますが。

いえいえ。

私の中では『ソロも別に怖くないし、一人でも何処でも行けちゃいます。』的な女性は凄いと思うけど、
私はいつもビクビクしながら来てるんですー。
女性で・ソロで・冬山で・テン泊、って言うだけで、何かと誤解されがちですが
車で出発して登山口に着くまでも、既にビクビクしながら運転してる状態だし。
はっきり言って、エンジョイ&満喫ってのとは程遠い。

それでもこうして、見知らぬ人と今日の山登りの話をしたり、テントの中で熱いカフェ・オ・レを飲むと。

やっぱり来てよかったな、登れてよかったなと思います。

考えてみれば、この日は初の“撤退”でした。

でも、悔しさと言う感情は微塵もなく、あそこで撤退を決めた判断が正しかったと思える自分に
少しだけ、ほんの1%だけ“ちゃんとした”クライマーになれたようにも思えました。

テントに戻ってからは、おやつ&カフェ・オ・レ、お昼寝、夕食と今回の冬山山行の反省点や
装備の改善点を考えたり。

山頂までたどり着けなかったけれど、それ以上の充実感があった一日でした。

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夕方五時。

全ての水分は凍っていました。

120218_7 
                           保冷バックに入れてた卵は凍って爆発。
      

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2012年2月23日 (木)

【もおすけ日記】雪山ツボ足山行・2

仕事終わって、急いで松本を出てきた私。

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も:『慌てて出てきたからさー、今日のおうどん、天婦羅も卵もないや。野菜うどんになっちゃう。』

さ:『オレ、卵と野菜持って来た。』

も:『じゃあさ、その卵ちょうだい。私の野菜ちょっとあげるから。』

さ:『やだよ、オレ野菜あるもん。』

も:『えー、野菜は沢山食べたほうがいいよ。だから 卵も~らいっと♪』

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と、ゆすりたかりの様なもおすけです。皆様おはようございます。
やっぱり鍋焼きうどんには、天婦羅&卵がないと。
この時改めて実感。

そんな丹沢・塔ノ岳報告その2でございます。

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入り口でアイゼンを乱雑に外し、さぶちゃんに続いて急いで尊仏山荘に入る。
すると、さぶちゃんが戻ってきた。

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さ:『しろぷー、早く来てみ。』

も:『何なに?』

・・・・・

も:『あっ!ワダさんだっ!』

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そう、なんと最高に嬉しいことにワダさんが居たのでした。

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も:『あーーー、嬉しいっ!覚えてますか?白馬山荘で受付をしてたもおすけです。』

ワ:『覚えてるよー。こんな雪の時によく来たねぇ。』

も:『いやもうワダさん月曜日は下山の日だって聞いてたから、すっごく残念って思ってたんですよ。』

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今は一週間交代で山小屋に居るという。
ガッツリしっかり雪山山行だった今回。急いでいたせいもあってかなりハードな山行だっただけに
山小屋でワダさんに会えたのは、私達にとって最高のご褒美でした。

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も:『あー、ヤビツから頑張って上ってきた甲斐がありました。今日はもうこれだけで十分だー。』

ワ:『え、ヤビツから登ってきたの?そりゃ大変だったね。じゃあ乾杯しなきゃね。』

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と、ワダさんはさぶちゃんにビール、私にオレンジジュースそれにお菓子をご馳走してくれた。

3人で乾杯してグビグビ飲む。
のどが渇いていたから美味しい。

ホテル立山で働いてたテラちゃんやモモちゃんの近況、去年白馬山荘に遊びに行ったことなど
ワダさんに報告する。

おうどんを作りながら食べながら、喋る。
尊仏山荘からの夜景の美しさを教えてもらう。
今度は泊まりで来たいなぁ。
でもって、縦走したいなぁ。
鍋焼きうどんで有名な、鍋割り山荘にも行きたいし。
桜の頃も綺麗そうね。
いろんな夢が膨らみました。

120123_1                                 また来るからね、尊物山荘(今度はピークハントも)

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もっとずっと喋っていたいけど、下山して千葉まで行かなきゃ行けないから、そろそろ出なくちゃ。

後ろ髪を惹かれる思いで、尊仏山荘を後にしました。

下りの大倉ルートは、びっくりするほど楽ちんそのもの。
雪の量からして、圧倒的な違いがあります。

も:『ヤビツ峠からか、そりゃ大変だったねとワダちゃんが言うワケがわかったよ。』

ヤビツルートに比べれば数倍楽な道でした。

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下山して、車で千葉まで行って、我らがチーム腹筋のリーダー・いっちゃんとそのお友達と
お寿司食べて。

皆さんはほぼ徹夜で遊び、私は途中で寝ましたが 最高に長く濃い一日でした。
私の車のキーをタクシーのトランクに落とし忘れ、都会は異例の雪で事故渋滞だらけ。
さぶちゃんは翌日間に合わず遅刻すると言う、おまけつきで。
(車のキーは、翌日取りに行きました。)

                      120123_3                      後日ワダさんからご丁寧なお手紙&写真も届きました。

思いもよらぬ雪山山行となった丹沢・塔ノ岳。

でもワダさんに会えたからとっても楽しい日帰り登山となりました。

(ついでにさぶちゃんの卵もホントに頂いちゃいました。イヤ、さぶちゃんがくれたのよ、ほんとに。)

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2012年2月20日 (月)

【もおすけ日記】 雪山ツボ足山行・1

更新が途絶えていたのは、電波圏外に行っていたから。
そして深夜に更新。
皆様、丑三つ時にこんばんは。おさるのもおすけでございます。

前々日は準備に追われ、
前日は車中泊(これがまた楽しくって大好きなのよねー)。
そして山行となれば、電波圏外。

疲れてバタンQから目覚め、『嗚呼、更新しなくちゃ・・・』と
何かに追われるかの様に、プレッシャーを感じ更新。

ええ頑張りますとも。
それでは、先日の山行記録から。
(今日行って来た報告は、次号にて。)

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2012年 1月23日

信州では、里山と言えど雪深い。
日帰り山行であったとしても、簡単に2200m超えちゃって若干空気薄くなったりします。

でも私のイメージする里山は、

・装備も軽く
・簡単にピークを踏めて
・そんなに身の危険を感じる事のない高さ(特に温度差)

なのですが(あ、でもどんな山でも緊急装備やリスクマネジメントはしてますよ)。
つまりは私を育ててくれた“六甲山”て感じでしょうか。
そんな冬でもサクッと行けちゃうお山に登りたくって、行って来ました。
仕事を終えて、とりあえず装備を車に積み込んでGO!

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もの凄く久しぶりな中央フリーウェイ。
これってユーミンの曲よねー。
懐かしいよねー。
と、ゴキゲンで車を走らせ相模湖で降りる。

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そう。
今回は神奈川の百名山・丹沢を目指しているのです。

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生まれ育ちは神奈川・横須賀ですが、当時は山登りとは全く無縁の日々でしたので
丹沢に足を運んだことがありません。

丹沢の申し子・さぶちゃんにレクチャーを受けながら、秦野に到着。
ここから、タクシーでヤビツ峠を目指します。

繰り返しお伝えしますが、『サクッと里山』のはずだったのですが・・・

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なんとこの時、関東でも珍しい大寒波。

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ええ。

丹沢山系、バスも運行を見合わせ運休するほどの雪でした。

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も:『何よー、お気軽に登りに来たのに、登山口からアイゼン?これじゃ松本と変わらないじゃん!』

さ:『しろぷーが寒波連れてきたんだろー。それにしてもここまで深い雪、オレでも初めてだよ。』

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そう、登山口から車で20分足らずのところに住んでいる地元っ子のさぶちゃんでさえ
こんなに雪深い丹沢は初めてだという。

登山口でアイゼンを装着していると、パトカーから降りて登山道の雪かきを始める警官さんが。
なんでも電波の入り具合を調査する為、塔ノ岳まで若い警官さん二人がこれから登るという。

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警:『山は経験あるの?』

も:『ハイ、それなりに。』

警:『この雪だから、気をつけてね。』

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お礼だけ言って、スタート。

それにしても、いつもの北アルプス山行と変わらない足元。景色。

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二の塔で小休止。
小雪降る中、パンをかじる。そして三の塔へ。

ここには避難小屋があり、開放されていました。
ただ、景色は変わらずどんよりグレー。
しかも目指す鳥尾山・行者岳は今まさに霧に飲まれようとしていた。

ここで休憩を取っていたお兄さん二人組み。
『車がノーマルタイヤだから降りれなくなると困るから。』
ここで引き返すと言う。

さ:『いざとなれば、トラバースルートはあるから。』

も:『でもさぶちゃんも行ったことない道でしょ?

  夏道ならともかく雪で全く見えない知らない道を歩くのは危険すぎるよ。』

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で、どうするか。すったもんだ。

でも年末年始の西穂以来、山に行けていないさぶちゃん。
どうしてもここは進みたいようで。

も:『帰りが危険と感じた時点で引き返すからね。危険になってから引き返しても遅いからね。』

と釘を刺し、先に進むことに。

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それにしてもすごい雪です。
前の人が歩いた跡は、膝上までの深いツボ足。
いちいち足を垂直に上げないと抜けない。

ちなみにこの日はこの後、リーダーのいっちゃんと(わざわざ千葉で)飲み会があるのだ。
でも、急ぎようにも急げない。

しかも雪で両脇の笹や小枝が倒れこみ、道をふさいで進みにくいことこの上ない。
さらにここ丹沢では、やたらと棘のある(おそらく野バラ)木が多い。
当たると痛いわしんどいわ。
こんな足元&降雪で、行動食もままならず。

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実は歩いている途中で思い出したのだが、今日目指す塔ノ岳は丹沢山系最高峰ではありません。
だから、百名山のピークは踏めない。

しかも、この塔ノ岳にある尊仏山荘。
私が山小屋バイトでお世話になった白馬山荘に、毎年夏の間だけ働きに来るワダさんが
通常金曜日から日曜日まで小屋番さんとして働いていらっしゃるのだ。

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でも今日は月曜日。
ワダさんは下山日だ。

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も:『こんなに頑張ってるのにピーク踏めないわ、ワダちゃんに会えないわ。もうやだよー。』

すっかり泣きが入っている。

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さ:『でもほら、あれ、新大日茶屋じゃない?』

も:『新大日茶屋?もういいよ、あれが尊仏山荘で。』

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もう言ってることも無茶苦茶である。

でも殆ど休憩も取らず、かなりなハイペースでずっと登ってきたのだ。
なんとか新大日茶屋に到着したものの、時間も押しているのでそのまま先を急ぐ。

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も:『こんなに大変な思いして登ってても、尊物山荘にワダちゃんもいないんだもんなぁ。』

全くもって残念な話。せっかく松本から来たのに。

標高が上がるに従って、雪はどんどん本格的な降りになってきた。

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も:『もういいよここで。ここが山頂山頂。もうやだーーー。』

シャリバテも加わって、とうとう泣きが入ってきた私。
すると先を行くさぶちゃんが、道を譲ってくれた。

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も:『何?もういいよー。もうやだよー。』

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膝までのツボに足を入れながら、前を見ると。

悪視界の先に、かすかに見える小屋の影。

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も:『ああ、着いたーーー。やっと着いた。ああもう疲れた。』

カメラを車に忘れてきた私は、さぶちゃんに撮ってもらう。

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やっと着いた尊物山荘さん。

120123__2                               嬉しい。たとえワダちゃんがいなくとも。

一人写真を撮っていたおじさんに頼まれ、シャッターを押すことに。

おじさんや看板で雪の深さがわかると言うもの。

120123_2                                  ここは西穂か?蝶ヶ岳か?

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この後、乱雑にアイゼンを外し、なだれ込むように小屋へ入った私達でした。

つづく。

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2012年2月14日 (火)

【もおすけ日記】今年も白馬山荘に集合です!2

いやはや、早速皆様からのコメントを頂き、ありがとうございます。

の、もおすけです。

丑三つ時にこんばんは。

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いやーーー。

皆様からのあまりに早いレスポンスに驚いております。

今も読んでいて下さっていたのね。

それなのにワタシってば、お店のディスプレイ模様替えに忙しくって

疲れて帰ってバタンQ. ブログ更新も出来ず、ちょびっと反省。

でも、今年もあの目の前にドーーーンと剣岳が見えるあの白馬山荘に泊まって

皆で会えたら嬉しいですね。

これが毎年恒例になったらうれしいなー。

今年こそ、鑓温泉行きたい!

夏の大池テン泊もいいなぁ。(初の大池テン泊は初雪だった、寒かった。)

扇沢から縦走で入る人、栂池から登る人。

帰りは蓮華温泉でのんびりな人。

いつも電話で話すだけだった、朝日小屋さんにも行ってみたい。

ああ、やっぱり夢が膨らむ白馬山系。

今年も二回は行く予定です。

今のところ、お盆明けの翌週の日・月なんて如何でしょうか。

皆集まれたらいいですねー。

ワタクシ、これを心の糧に頑張ります!

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2012年2月12日 (日)

【もおすけ日記】今年も白馬山荘に集合です!

皆さん、さあこんばんは。

おかしな書き出しでテンションが伺えるもおすけです。

(そして深夜)。

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ええ。

今年もやっぱり集まっちゃおうかと思いまして。

白馬山荘。

だって、去年集まった人は楽しかったし、

去年来れなかった人達は、きっと来たいでしょうし(勝手な妄想)。

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でも、わたしはやっぱり毎年一回は行かないとなー。

私にとっては故郷みたいなお山ですからね。

で!

今年は皆さん、いつがよろしいですか?

今年は集まりやすい土日がいいですか?

6月?7月?8月??

でも連休は、とても混むので外しましょうね。

ワタシ個人としましては、常駐隊さんや気象協会さんも来る7月下旬か

8月第一週目の土日とか。

混んでるかなー。

混んでそうだなー。

今年もなかまっきーに、オクちゃんに、シンさん、イザキングに会いに行きましょう。

今年もさぶちゃんも参加です(勝手に決定)。

皆さんの希望曜日、希望日の書き込み、お待ちしております!!

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2012年2月 8日 (水)

【もおすけ日記】ソロで雪山・サクッと登山

今月号の岳人は面白い。

私が最も読みやすい文章と感じ、そして尤もな事ばかり書いているので頷きの連続である
天野さんのページが多いから。

そして特集は、八ヶ岳の一歩先の冬山へ。
う~ん、為になるなぁ。

なぁんて読みふけっていると、ブログ更新サボってました。
おっといけない。

皆様おひさ、もおすけでございます。

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『がっつり読みたいし、過去本も読み漁りたいからブログは暫くお休みしようかなぁ…。』

などと、またしてもずるがしこい事を考えていると。
神様はやっぱり見張ってらっしゃいました。

先日の私の休日に、お店に

『もおすけさんはいますか?』

と、このブログを見て下さっている方が訪ねてきて下さったそうです。

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ケ:『あー、今日はお休みなんですよー。』

とケイちゃん。

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お客様:『えー、そうなんだー。縁がないなー。』

ケ:『あのーぅ、もおすけさんて有名なんですか?』

お客様:『有名だよ、全国区だよ!』

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ケ:『って、もおすけを尋ねてお客様が来てたよッ!人気者なんだね!』

も:『えーーーーーッ、それは凄く残念っ!!あでもね全国区でもないし有名でもないよ(笑)。』

このブログ村ランキングという、めっちゃディープな世界の話なだけで
ちっとも有名人じゃありません。

有名になったら、『しょうゆラーメンにしようか、それとも豚骨にしようか。』とか
真剣な顔して悩みにくくなりますし(西穂山荘)、のどが渇いたけど水を出すのがめんどくさいから
そこらへんの雪食べちゃおう(八ヶ岳)とか出来なくなりますから。
皆様お間違えなきよう。

でも、もおすけに会いにきてくださるのは、とっても嬉しいです。
近県からわざわざ来て下さったという怪盗X様、次回はお会できたら嬉しいです♪

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2012年 1月某日 快晴

この日は、前日の仕事がむっちゃ大変だった。
なので、とにかく一番したいことは『温泉!』だった。

それでもただ温泉に入るだけというのは、なんとなく軽い罪悪感に駆られるのは私だけでしょうか。
私の中では、すっかり“山登り&下山後の温泉”がセットとなってしまっているのだ。

よし!ならばサクッと登ろう。

ゆっくりと朝食をとって、おにぎり作って出発だ!

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車を走らせること30分。
駐車場に車を停めて、登山口へ。

そう、今回のお山は先日の扉温泉で『お!こげな所に登山口が♪』とチェックしていた前鉢伏山。
でも、さくっと小一時間くらいと考えていたが、そこは長野の里山。
さすがの標高ですので、1時間やそこらじゃ山頂に着かせてくれません。

しかも登山道に取り付くところから、しっかりと雪が。
いきなりアイゼンの登場です。

120119_1                           いやまったくもっていい天気。

アイゼンつけて歩く。

日向は雪がなくて外す。

暫くすると、またアイゼン。

小腹が空いたぞ、うまい棒だ。パクパクパク。

いつ食べても美味しいな(最近のお気に入りの行動食)。

ふたたび歩く。

雪が薄くて石に当たり、歩きづらいので外す。

お腹が空いて、おにぎりをパクリ。

目の前を、ケーーンと鳴きながら鹿が走る。

お!鹿だ鹿だ。
真っ白なお尻りがかわいいぞ。

暑いな、帽子もとっちゃおう。

誰もいないから、アイゼン、ここでデポしちゃおう。
(帰りに忘れないように、道のど真ん中に置いて、っと。)

なぁんてことをしていたら、二時間経っても山頂に着かない。

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あ、忘れてた。

今日の第一目的は“温泉”だった。

山頂まで もうすぐな気もするけど、ここでいいやー。

と、稜線上に出てしばらくのところで、お昼ご飯タイム。

お手製野沢菜の葉っぱでくるんだ、目張り寿司ならぬ目張りおむすび。

パクパクパク。

うーーーん、美味しいねぇ。

食後のカフェ・オ・レとハーバーの組み合わせは、相変らず最高だし。

120119_2                                                まだ見ぬ山頂からの景色。

山頂は次回のお楽しみってことで、休憩を取ったらさっさと下山。

そして、源泉掛け流し・加温も水の注入も一切なしという最高のお湯『扉温泉』へ。

ええ。またこの景色でございます。

120119_                    あまりの気持ちよさに、回数券買っちゃいました。

露天風呂のぬるさが、いつまでも居れちゃうのよねぇ。
と、本日も最高でした。

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それにしても。

サクッと日帰りという所謂“里山”が、あっさりと1800m~2100mとかいってしまう信州って。
私が初めて『おおこれがアイゼンと言うものね。』と、舞ちゃんに借りてつけたアイゼンで
登った山が鳥取・白奢大山だった。

あれが2シーズン前の自分かぁ。

もの凄く遠い昔のことのように思える。

その山をあっさりと超えてくれる、信州の里山。
本当にすごいよなぁ、と思ってしまいます。
里山と言えど、2000m超えたら気象の影響もかなり大きいし、高い分だけ時間もかかる。
やはり六甲山のように、お手軽ではなくそれなりに早起きして装備もきちんとしなくてはいけない。

次回は早起きして、山頂目指そう。
今回は、『温泉一番、お山は二番(三時のおやつは文明堂~♪)』のもおすけでした。

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2012年2月 2日 (木)

【もおすけ日記】凍った滝を登れ!南アルプス編

先日、しらすと白菜のパスタを作ろうとしたら。
コンロ下のオリーブオイルが、寒さの為にビンの中で全部固まっていました。

・・・・・どんだけ寒いねん!
の、もおすけです。皆様こんばんにゃ。

関西の友達から『そっちは寒いんでしょー?生きてる?凍ってないかい?』等と
沢山メールを頂きますが。

大丈夫です。
もおすけは辛うじて凍っておりません。

天気予報で『東京でも今日は、2℃くらいで寒さが厳しいので・・・』などと聞いても
なんだ、2℃なんてあったかいじゃん、と普通に思うようになってしまったワタクシ。
すっかり信州人でございます。

うちの部屋は冷蔵庫の野菜室並み。

凍ったオリーブオイルは、パスタをゆでる前にゆでました湯煎しました。

そんなもおすけ、本日も山登りのご報告です。

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2012年 1月16日  曇り

今年最初の氷登りは、山梨県。
甲斐駒を眺めながら、車を走らせます。
メンバーは、今回もなっちゃんとおやびん。
ルートは尾白側下流域・平田(ベータ)ルンゼ。
ちなみにこの近くに岩間(ガンマ)ルンゼと言うルートもあります。

クライミングは、初登した人が名前をつけて良いというルールがあるらしく
(星の発見と一緒だね)、つける人のセンスが問われると言うもの。
うちのおやびんは、そういう事に夢中になるタイプではないらしく(ついでに雑誌に載るのも避けてる気がする)、
先日岩雪(=クライミング専門誌)を読んでいたら『山下○○、△△ルート初登』とか名前が出ていてびっくりしました。

も:『どうせなら、“俺様ルート”とかつけたらいいじゃん。』

と言ったら、そんなセンスのない名前絶対嫌だと言っていました。

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閑話休題。

車を停めてから1時間。
雪は全くありません。
ただただ滝が凍っているのみ。
八ヶ岳のような、体中の体温を奪っていく冷気もなく、比較的暖かい。
これは有難い。

で、滝に到着。
本日も凍っておりま~す。

まずはおやびんが先に登り、ロープをたらしてくれます。
いつものことながら、ありがとう。

ワクワクするこの光景。

120116_1_2

こんなツララ、関西にいた時は見ることもなかったよなぁ。
 

120116_2

ここの氷は、透明でとっても綺麗でした。

120116_3                             結氷した滝の裏側から撮りました。

なっちゃんが先に登って、私が後からついて行きます。

ようし、登るぞ。

120116_4                                  わくわくわくわく。

おやびんのブログより。
お、今回はかっこいいぞ私。

 120116_8                          ガシガシガシ。ひゃー、今日も楽しーーーい!

ここの滝は何段にもなっているので、登ってはビレイ取って待機(その間におやびんが先に登る)、
登っては待機、という繰り返しです。
天気は回復することもなく、灰色の空でしたが逆に冷え込むこともなく。

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お:『晴れてたら青空を見ながら、最高のアイスクライミングが出来たんだけどなぁ。』

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と、残念そうでしたが、私は登れるだけで十分ハッピー。

縦の場所でも、ザイルがあれば怖くない私。
振り返ってシャッターを押す。

120116_5                            なっちゃん、今回は一杯氷落としてごめんね。

再び、おやびんのブログより。
ミニチュアモードのもおすけです。

120116_9                                  エイヤァ登るぞ楽しいぞ。

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途中、凍った滝つぼには葉っぱが氷の中に閉じ込められていました。

120116_6                                  アイスフラワーならぬアイスリーフ。

登って登って、登りきったら。

今度は懸垂下降です。

              

120116_                           場所によっては結構難しい懸垂下降。

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危なげなロープワークながらもなんとか無事下山。
今回は、私がヘタクソで時間がかかってしまったために、車まで戻る頃には日が暮れてました。

もっともっと上達したいし、ビレイとかロープ送ったり出来るようになりたいです。
  
今回もとっても楽しいアイスクライミングでした。

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色々お世話になったおやびん。
今回も、至れり尽くせりでありがとう。

120116_7                                  よせやい照れるぜ(とは言わない)。

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