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2012年5月

2012年5月30日 (水)

【もおすけ日記】サクッと百名山・美ヶ原

そう。

今年はガンガン日本アルプスを登ろうと思っていますので。
おさるのもおすけ、常にお山の上にいます。の、もおすけです。
皆様おぱようございます。

去年は靱帯損傷で全く登れませんでしたからね。
今年は行きますよー。
ってことで、トレーニングにこの山に行ってきました。
二回分、まとめてご報告です。

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5月14日・21日 共に晴れ

登山道入り口付近には、まだ桜が咲いていました。

目指すはあそこ。

120521_1


美ヶ原・王が頭。

車を置いて歩き出すと、いかにも信州なウシウシが。

120521_                                  よぅ もおすけ。


イノシシでないところが六甲山との違いよね、と一人思う。

最初は一人で。
こりゃ楽しいコースだわ、とわかってからは二回目はゆかりちゃんとのデイハイクです。

美ヶ原は、標高約2034mの日本百名山。
山頂直登のコースは、2時間です。
この気軽さが地元民にはいいのです。

あっさりと頂上に着いてから、テーブルでお昼ご飯。

120514_1           着いてから箸を忘れたことに気付き、女のロマン(木の枝)でお味噌汁を。

ゆかりちゃんは、燕山荘グループの有明荘で働いていた時に初対面。
去年、お風呂に寄った時に覚えていてくれたのがきっかけでお友達に。
そしてこのゆかりちゃん、なんとこの山頂の王が頭ホテルで働いていたこともあると言う。
(この時は初めて知りました。)

スタッフさんと久しぶりの再会で、話も弾んでいました。

その隙に写真に興じる私。この日のお昼。120521_2
牛乳はサービスで頂きました(ご馳走様でした♪)

そして食後、ソファで話をしながら休んでいると、なんとチーズケーキのサービスまで!
120521_3                             しかもアイスつき。ケーキも大きいッ。

お湯を沸かしてコーヒーを入れて、ご褒美のようなハイキング。

明らかにカロリーオーバーだと言いながらもペロリ。

下りは苔むした清流沿いを歩き、

120514_2                          誰かに見せたいと思った風景。

新緑を堪能し、

120514_4                          こういう風景好きー。

初回はその後、温泉へ。
120514_               ここも桜が咲いていて、湯船に花びらが浮かんでいました。綺麗。

二回目はお喋りしながら降りてきて、お買い物があるので解散。

・朝、ゆっくり出発しても間に合う。
・夕方に用事を入れられるお手軽さ
・頂上でご褒美(美味しいもの)を買うこともできる(デイハイクにこの要素は大きい)。
・帰りに温泉つき。

これは毎週末、六甲山に行っていた時と同じ様に通えるわ。
若干コースが短すぎて物足りない気もするけれど、その分荷物を重くして頑張りましょう。
(実際二回目は、全く必要のないテント・アイゼン・ピッケル・大量の水で嵩増ししました。)

さくっと標高2034m。

(さぶちゃんでもいいけど)オンナの子との山登りって楽しいなぁ、としみじみ。

信州らしい日帰りデイハイクでした。

120521_4                    楽しいねー、綺麗だねー、とゆかりちゃん。

ゆかりちゃん、また行こうね☆

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2012年5月28日 (月)

【もおすけ日記】今年も白馬山荘に集合です(日時決定)!

さあ!ようやく怒涛のバーゲンセールも終わって、今日からがまた大忙しのもおすけです。

皆様おぱようございます。

あ、そしてもちろん買い物もしましたよ~♪

なんてったって、セール会場は全品半額以下ですから。

スタッフは、最終までお買い物は出来ないのですが(お客様優先です☆)、

お目当ての品が残っていれば、買うことができます。

こちらの報告はまた後日。

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で、白馬山荘。

ココには毎年行かないと行けません(という気にさせられます)。

私にとっては故郷のような山ですから。

先日お店に来てくださったもっくんやさぶちゃんと日程を話して以下の感じで決まりました。

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■日程    :2012年 7月 8~9日(日~月)

■集合場所 :白馬山荘

■宴会    :食後に談話室で(騒ぎ過ぎない程度に・笑)

■備考    :登山ルート、時間などは各自それぞれお好きなところから。

■装備    :去年もそうでしたが、雨が降ったり寒いと結構冷えたりします。

         防寒着、レイン装備、(軽)アイゼン、ストックなどは必ずご持参くださいね。

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私とさぶちゃんは、天候次第ですが栂池から上がって鑓経由で降りようかなぁと思っています。

今年はリンちゃん、参加できるかな。

一緒に働いていたてらちゃんも参加してねー。

ももちゃんはお仕事で無理かなぁ・・・。一度一緒に行きたいなぁ。

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この“集合”で宿泊される方同士でお部屋を一緒にされたい場合は

ご予約の際、『もおすけの知人です』と言ったら、部屋を一緒にまとめてくれるかな?

(オクちゃんに頼んでみよう。)

宴会なしで早く眠られる方は、別の部屋の方がいいかもしれませんしね。

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さあ!

今年もお山の上で、皆さんに会いますよー♪


考えるだけでワクワクだ(既にテンション高し)。

最高のお天気を、今から神様にお願いしておきましょう!

 

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2012年5月27日 (日)

【もおすけ日記】新表銀座縦走11上高地まで駆け抜けろ!

そういえば。

美味しい美味しいといって食べた、さぶちゃん特製カキ氷。

120429_12m                                                    新雪で食べたら もっと美味しいよ(byさぶ)


食べ終わって歩き出して五分ほどしてから気付く。

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も:『…あッ!さっきカキ氷作ってくれた手って、昨日鹿のフン触ってた手じゃない?』

さ:『それは左手。』

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・・・・・。

本当か?本当なのか??雪を掻き出す時その左手だって使わなったか?
と、今でも若干思っているもおすけです。
皆様おぱようございます。

さぶちゃんは小学生の男の子と同じなので、鹿のフンでも何でも
グローブしてても平気で触っちゃいます。
綺麗好きな私には耐えられませんが、それを知ってて私にフンを投げてくるので
登山中も賑やかですが、それは私のせいではありません。

誰かさぶちゃんにオトナの常識を教えてやってください。

そんな もおすけ&さぶの新表銀座縦走・完結編でございます。

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蝶ヶ岳ヒュッテさんのテント場でも、テントの向きでやいのやいの。
なぜかいつも意見が合わない私達。
ここでさぶちゃんが一言、

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さ:『おれらってさ、ほんと何もかも違うよな。一緒なのは唯一“進む道(目指すは頂上)だけだよな。』

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ええ全くその通り。
性格も生き方も、全く違う凸凹コンビでございます。

で、結局テントの入り口はトイレに近い方となり、設営してから外のテーブルで乾杯。
この時、空は高曇りでしたが槍方面はずっと見えてました。

その後、私はテントでゴロ寝、さぶちゃんはいつものお散歩。
夕方の天気を見るべく、小屋の休憩室のTVで待ちながらまったり。
最終日の夕食は、チーズリゾット・いつものお肉&筍・カンゾウ入り。
予備の棒ラーメンを使うこともなく、行程通り進めた事に感謝。
明日は曇りと言うことなので、雨が降らなければいいやとお気楽モード。

最終日まで寒くない、初夏のような春山テント泊でした。

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いつもはテント場1~2番の早さで出発していた我々ですが、今日はのんびり。
徳澤まで降りて上高地→中房の車をピックアップ(途中に温泉)だけですから。

行程にゆとりがあるといいなぁ。
早め早めの行動って、大事だよなぁ。

と今回の山行で、改めて実感。
目的地到着が遅くなると、その後の行動全てが遅れがちになります。
そうすると、だるい&危険が増えますよね。
(小屋の方にも迷惑になりますし。)

14時台に着いて、後は夕食までのんびり。
この時間が最高に贅沢だと、今回しみじみ思いました。

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話戻って、徳澤までの長塀尾根を下る。
沢山の登山者のおかげで、雪は思っていたより踏み固められていて歩きやすかったです。
こうなると考える事は“徳澤園でのご褒美”だ。

ラーメンも美味しいけど、自家製カレーも食べてみたいなぁ。
でもやってない日もあるから、野沢菜チャーハンでもいいなぁ。
ソフトクリームは外せないよね。
着いて一番に食べるか、食後に食べようか。

そんな話をしながら、急ぎ足で降りる。
下るだけなら、ガンガン降りちゃえ。
で、早く食べたーい♪

途中アイゼンを着け外しして、抜きつ抜かれつしていたおじさん&娘さんの三人組。
ここのコースタイムは3時間半。

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さ:『しろぷー、お水とかいいの?』

も:『うん、ソフトクリームまで取っとく。』

さ:『なんだよ、オレには水分我慢してビールはよくないとか言っておきながら、自分だって一緒じゃん。』

も:『アルコールは良くないけどソフトクリームは大丈夫だもん。それより早く着かないかなー。』

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勝手でも何でもありません。多分事実(多分)。

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ずんずんずん。

ものすごい勢いで降りるんだけど、まだ着かない。

疲れてきた。

先を譲った三人組は、途中休憩タイムで行動食を食べていた。
人が食べている姿を見ると、途端に食べたくなる私。

.

も:『あーー、もうまだまだ着かないからいいやッ。おやつおやつ!』

さ:『…だからさー、コースタイム3時間半なんだから どんなに頑張ったって1時間で着くわけないだろ?』

も:『・・・。わかってるよ、そんなこと。でも頑張ったら早く着くと思ったんだもん。うるさいな。

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と言いながら、言われて初めて気が付いた。

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わかってなかった。

先日、ちくりんと行った光城山。
『ゆっくりお喋りしながら登って、1時間くらいかな。』とチエさんに言われていたのに、
小さな山を目の前にしたら『急いで登れば15分くらいで着くだろう。』と、
見える範囲だけで勝手に判断してしまう(登山口から山頂は見えず)。
結局40分はかかり(当たり前だ)、飛ばしすぎて疲れて山頂手前で休憩を取った。

楽ちんなコースとなると、実際にかかる時間より“この時間で済ませたい”という希望時間
計算していることに、この時初めて気が付いたのだ。
特に私は、目的地に“ご褒美”があると、この傾向が強くなる。

.

さ:『人のこと結構ムチャクチャ言う割にはさー、実はしろぷーの方が無謀だよ。
   飲まず食わずで1時間で着くわけないじゃん。』

も:『うるさいなぁ。わかってるよ(本当はわかってない)。あーーうまい棒オイシイ!(声を大) 』

耳に痛いことは蓋をして。
お水とうまい棒で、おやつタイム。

徳澤園さん、ソフトクリームやってるかなぁ、こんなに楽しみにしてて
やってなかったらがっかりだよね、
などと話していると先のおじさん、

.

お:『大丈夫だよ。僕達昨日食べてきたから。美味しかったよ。』

.

と教えてくださった。
よかったよかった。

も:『よぉ~し、じゃあ出発しよっか。ではお先に行ってソフトクリーム食べ尽くしてきます!』

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と言ったらおじさん達は笑ってました(罰当たりな私)。

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水の音が聞こえ出して、
周りの景色が低くなって、
待っていた小屋の屋根が見えると、
徳澤園に到着です。

.

も:『ご飯だご飯だー、ソフトクリームだー☆』

と、ザックを雑に降ろし、徳沢園さんに駆け込む。

もおすけは山菜そば、さぶちゃんはビールとモツ煮。

120430_1 
                                        まだかなまだかな。

美味しく頂いてから、待望のソフトクリームを。

120430_2                     アングル等が雑なのは、食べたさ優先のため。あしからず。

明神池辺りから観光客が増え、大型ザックにピッケルなんていう怖げな物を差してるアタシは
山から降りてきた珍しいおサルのような目で、かなり周囲からまじまじと見られている事に気付く。

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そういえば。

涸沢方面へ上り下りしてる登山者も、女性で重装備の人は殆どいなかった。
逆に、山スカートの女子も沢山いたし。

上高地では更におサル状態は強まるが、気にもしてられない。

河童橋で、縦走完成!
辺りの人に頼んで、記念の撮影。




120428_mm_2                                       ワタクシ達がんばりました。

二年分とリンちゃんの分まで満喫した、今回の新表銀座縦走。
天気が良くて本当にシアワセでした。

やたっ、もおすけがんばったよ。

120430_                        明らかに私の格好の方が浮いてる河童橋。
    

さぶちゃん、色々ありがとね。

リンちゃん、今度は一緒にまた行こうねー。

 

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2012年5月25日 (金)

【もおすけ日記】新表銀座縦走10・上高地まで駆け抜けろ!

仕事が忙しくても、更新は怠らないワタクシ。
皆様おぱようございます。

(更新してる時だけ胸を張る)おさるのもおすけでございます。

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先日の金環日食。
皆さんはご覧になりましたか?
ここ松本はほぼ金環日食になると言うことで、仕事場でもその話で盛り上がる前日。
日食用サングラスでないと目を傷めるとフクちゃんから聞き、どうやらそのサングラスは
コンビにでも買えるらしい。

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5月21日。
早起きしてコンビニへ。
が!ここで『昨夜で全て売り切れました。』とのショッキングな台詞を受け取る羽目に。

ガビーーーン。

どうしよう、世紀の天体ショーなのに(ならば事前に準備をしておけと何処からか遠い声)。

そんな時、ふとあるものが目に留まる。
それを迷わず掴み、レジへ急ぐ。
そして車を走らせ、広い駐車場へ。

買ったのは、これ↓

                 120521_                          山食には欠かせないおにぎりの名脇役。

これならどこか小さな点を見つけて覗けばいいんじゃな~い?
しかも眩しすぎたら、海苔を二帖重ねたらいいし。

多少目に悪いのかもしれないが、背に腹は変えられぬ(でも小学校の時の観察だって黒下敷きだったし)。

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で、覗いてみた。

小さな海苔の隙間を探して・・・

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おおっ!

見える見える!!

同じショッピングモールの駐車場では、きちんとした日食用サングラスで見ているサラリーマンや、
はしゃいで見ていた女の人二人組や車の中から見てる人など。
でももおすけが焼き海苔で見ていたとは、誰も気付くまい。

かくしてワタクシ、見事な金環日食を見ることが出来ました。

120521_1                 一見して日食用シートに見える素晴らしさ(磯の香りつき)。

そんなもおすけの新表銀座縦走・第10話でございます。

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浮かれポンチで常念山頂で一休みした我々は、いよいよ常念岳下山&蝶ヶ岳へと向かう。
日当たりのいい南向きの斜面なので、本当に雪は少なかった。
下りの傾斜は急だけど、降りれないほどの怖さではありませんでした。

そういえば、ここ常念岳の道しるべは独特だ。

普通は赤丸か黄色の丸印だが、ここは

ハートだったり120429_7

ニコちゃん印だったりする。

120429_8                   岩場でこのニコちゃんマークに会うとホッとします。

これはかなり私のツボだ。
しんどくても緊張も緩み、笑顔になれる。頑張れる。
こんな道しるべ、他の何処の山でも見たことがない。
でも、あのゆる~いいい感じの常念小屋の雰囲気がそのままこんな所でも感じられて
私は大好き。これもありだと思う。

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常念の下り。

足がすくむほどの怖さではなかったけれど。

安全なところに足を置こうとすると、しゃがんでお尻を地面につけなければ届かない。
この時ザックの底も地面に着いて前に押され、その重さで前に落ちそうになるのが怖かった。

振り返ってさぶちゃんをみると、何なく立ったまま足を伸ばして降りている。
これだけで恐怖と疲労が絶対的に違う。
特に私は怖がりだ。
高所恐怖症でなかったらもっとガンガン登れたのに、と心底悔しく思う。

実際、さぶちゃんもリンちゃんも、この一年で随分と実力をつけている。
そのうち『もおすけとの山行は、ゆるくてつまんないからやだよ。』とか言って
一緒に行ってもらえなくなるかもしれない、と今回ふと思ってしまった。

120428_16_8                        どんどん先を行ってしまうさぶちゃんとリンちゃん。
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今日も快晴。そして無風。
今日のルートなら、逆に少し風があったら涼しくて有難かったなぁなどと
贅沢なことを思いながら登り返す。

日当たりのいい雪面は、解けて緩い。
足をツボらせながら、汗かきながら進む。

ああ暑い。
日差しが強い。
足元が埋まって歩きにくい。

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も:『あーー、しんどいなぁ。早く蝶ヶ岳ヒュッテに着きたいよ。』

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と、ぼやいた直後 爽やかな風が通り抜ける。
ああ気持いい!

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も:『わーー、気持いい!最高だね♪』

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と、感じるがままに口にしたら

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さ:『あんた!今“もーやだー!”的な発言しといて10秒後に“最高♪”か?早すぎだぞ!』

も:『だってさっきはホントにそう思ったんだもん。で今はほんとに気持いー♪って思ったんだからしょうがないじゃん。』

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人に言われてみると、その通り。
私ってなんて本能だけで生きてるんだろう。

そんなワタクシは日なたに出れば あづいーー、日陰に入ればサイコーー♪と繰り返しながら
ヨタヨタと歩く(足がツボるのよ)。

そんな初夏のような天気の中、突然さぶちゃんザックを降ろして何かを取り出す。

.

さ:『オレがいいもんあげるよ。』

と言うので、また何かしょうもないこと思いついたんだろうなと思って待っていると。
いきなり目の前の雪を掘って掻き出し、こんなもの作ってくれました。

120429_12_2                          さぶちゃん特製・練乳カキ氷~♪

これが美味しいのなんのって。

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も:『あーーーー、おいしーーー!さぶちゃんスゴイ、偉い!!』

さ:『だろ?これ、山ボード行って会社の後輩にあげたら、最初はバカにしてたんだけど
   食べたら評判いいんだよ。』

    
も:『うんうん。美味しい!あーこの氷で生き返った~☆』

今回、冬装備のウェアで来たので、日差しが強いと歩いてるだけで暑かった。
オイシイオイシイさぶちゃんエライ、とお替りまでして心身ともに復活。

忘れてた最後の登り返しもうんざりしながら、亀裂の入った雪庇のすぐ横をヒヤヒヤしながら
最後の登り・蝶槍のピークにたどり着く。

ワタシ的には、蝶ヶ岳山頂よりこの蝶槍のピークの方が好きだ。
“山頂感”があるもん。

そんな話をしながら、再び空中散歩。
緩やかな稜線を、景色を眺めながらヒュッテまでのんびりと歩く。
ヒュッテに着いて、荷物を置いて。
空身で蝶ヶ岳のピークに立つ。

やったー。
去年来れなかった蝶ヶ岳に着いたぞ!

上高地から三股から上がってくる人達で賑わうピークで記念撮影。

120429_9                                気分爽快、蝶ヶ岳登頂!

縦走しきって、この景色を堪能するのは格別です。

120429_11                  ウニちゃんと一緒にここに立ちたかったね、と私とさぶちゃん。

去年とは別物のような山登りでしたが、二年分まとめて楽しめました。

120429_10                              先生も喜びひとしお。

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2012年5月23日 (水)

【もおすけ日記】新表銀座縦走9 上高地まで駆け抜けろ!

先日は、たっつーさんがお店にきてくれました。

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た:『なかなか“上高地”に着かないねぇ(笑)。』

も:『そうなんですよ、もう毎日ゼーゼー言いながら書いてるんですけどね。』

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タイトルが“駆け抜けろ!”とか書いてる割に、のろまなカメ歩きのもおすけです。
皆様今晩にゃ。

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そういえば。
去年、立山から上高地まで大縦走したさぶちゃん。
車で扇沢まで送った時、初めてのテン泊装備(&大縦走装備)に『・・・この重さ、足に来るな。』と一言。

も:『ならさ、何でカップが二個もあるの?鍋の蓋だって使えるんだから一個でいいじゃん。』

さ:『いいんだ。色々使う時だってあるだろ~!?』

(色々って、そんなに大層なもの作った事はないくせに~。)

も:『でさ、何でこんなに大きな重いカラビナがジャラジャラ付いてるのよ。セルフビレイ取る訳でもないのに。外したげるよ。』

さ:『いいよ。外すな。』

も:『いいよ、外したげるよ。重いんでしょ?』

さ:『いいんだ!これはなぁ“男のロマン”なんだ。』

も:『はぁ?何がロマンよ。いらないじゃんこんなもの。』

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と、考えてみれば、どこでもすったもんだしてる私とさぶちゃんの、新表銀座縦走・9でございます。

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.

ゼエゼエゼエ。

やっとの思いで常念小屋にたどり着く。
さっきまでのサイコー!気分も、件の足ツボ騒動ですっかりどこかへ行ってしまった。

ああもうやだよもういいよ的な気分である。
本当だったら『やたー着いた~♪今日は最高だったねー。』のはずだったのに。

そんなぐったり&残念気分満載の私に向かって、くるりと振り返ってさぶちゃんは一言、

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さ:『しろぷー、さっきは取り乱し過ぎ (^/^*) 』

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・・・うるさいな、ほっといて。
だって本当に痛かったんだから(助けなかったくせにばか)。

スネ気分で、常念小屋の扉を開ける。

でもここは、いつでも優しい空気に満ちている。
さぶちゃんも私も、大好きな山小屋だ。

120428_29                     常念小屋名物・雪のトンネルです。


あ゛ーー疲れたーーーと言うと、受付のお姉さんが『どちらからですか?』と一言。
“燕山荘から。テン泊受付をお願いします”と告げると、驚いた表情だった。
そうか、小屋開けしてからは一番乗りの中房側からの登山者なのだった。
小屋のスタッフさんに道の状況を尋ねられ(燕山荘と同じく、こちらもまだ偵察に
行けていないようです。小屋開け作業って忙しいのよねー)、危険箇所など簡単に説明する。

今日は早めに着いたので、昨日よりもゆっくりとテーブル&ベンチで休憩をしよう。

あ、でもテントはしっかりとやらないとな。
と、ペグ男(お)は今日も息巻いてアンカー用の石探しに精を出す。

.

も:『いいよ、この位で大丈夫だよ。』

.

と言ってもペグ男は

.

ぺ:『そういうのがなぁ、一番危ないんだよ。いいか?風が吹いたら一瞬なんだぞ。』

またポールが折れたら大変なんだ(高いんだぞ)と、ペグ男は今日も手を抜かない。
その二割位の用心深さを他の事に廻せたらいいのに、と思っても口にはしない賢いアタシは
ペグ男に任せ、中の荷物を出す。

その後、テーブルでビールとミルクティーで乾杯。
今日はおつまみは少なめにね。
(昨日は夕食前なのに二人して調子乗って食べた。誰か止めてくれる人がいないとダメな二人組。)

その後、常念小屋が初めてなさぶちゃんは、小屋の中を見学。
テラスで休んでもいいとの事だったので(ありがとうございます)、テラスで一休み。

テントに戻って、おしゃべりして。
またもさぶちゃんに教えられてテントのフライヤーを上げると。
夕日が槍ヶ岳の向こうに落ちて、綺麗な夕景を堪能。

120428_30                       静かな夕暮れは、いつだって最高の癒しをくれます。

夕飯は、さぶちゃんのリクエストにより本日はラーメン。
韓国ラーメンに豚肉・タケノコ・カンゾウ・とろけるチーズ。
辛いラーメンにチーズは合う合う♪
美味しかったです。

 120428_31                   テントの中の夕食も、いつでも最高の時間です。

明日は常念の登り&下り。
下りがどれほど怖いのか。
わからないだけに不安を持ちつつも、満天の星空に満足して。
遠くに見える北穂小屋と奥穂小屋の灯りにほんのりと暖かさを感じながら
眠りに就きました。

-----

2012年 4月29日 快晴

AM4時に起床。昨夜も暖かかった。
さぶちゃんは、毎度の事だがピョンと起き上がる。
低血圧な私は、シュラフで蓑虫状態。『あと三分立ったら起こして。』と二度寝を決めこむ。

朝食&テント撤収をして、5時には出発。
槍ヶ岳方面は、うっすらとモルゲンロート。

120429_


登り始めて15分。
振り返れば、常念小屋が小さくなって行きます。

120429_1


山の上から見下ろす安曇野平野の田んぼには、水が張られてキラキラと輝いています。

5合目くらいまでは、岩と雪のミックス。
そして浮石も多く、雪というよりも氷なのでかなり滑って怖い。
雪が増えた所でようやくアイゼンを着けましたが、もう少し早く着けてもよかったなと思いました。

今日も槍は綺麗だなぁ、とさぶちゃん。

120429_2                              いつか残雪の槍も登りたいよね。

朝日を受けて上高地側に長く伸びる影。
私は、ここのこれが大好きです。

120429_3                      朝日に輝く雪面は、なぜか他の時間よりキラキラしてます。


六合目・七合目を過ぎて、雪面をトラバースして一気に山頂へ。
下から見上げた時よりは思ったほど傾斜は急ではなく、慎重に歩けばきちんと登れました。

.

そして山頂3m手前。
常念岳は三回目の登頂となる私は、ここで先頭をさぶちゃんに譲る。

.

も:『さぶちゃん、先に行きなよ。』

さ:『あ?なんで?』

も:『私もう登ったことあるから。さぶちゃん先にどうぞ。』

さ:『いいよ、別に。オレそんなにロマンチストじゃないよ。』

も:『もう どっちでもいいから登んなよ。』

さ:『いいよ。何オレに気を使ってくれちゃってるの?』

も:『あんたのその意味のないロマンのカラビナよりはましだよ。いいから早く上がって(急斜でしんどい)。 』

さ:『あ?これ!?このカラビナのこと!?何言ってるの。いいかこれはだな、男のロマ・・・』

も『いいから、もうさっさと上がれ

百名山のゴール3m手前で、何でこんなボケに付き合わなければならないのか。

山頂で一人写真を撮っていたおじさんは、ピーク手前まで来てこの二人は
何をすったもんだやってるんだと言う様ないぶかし気な顔で私達を見ていました(当然)。
無駄な時間を割きつつも、無事に常念岳登頂~♪

ささ、記念写真を撮っておきましょう。

っと。

あ。

120429_4                              さぶ 邪魔。

山頂も驚くほどに無風で穏やか。
ここで小休止して軽く給水&おやつタイム。
で、先ほどのおじさんに写真を撮って頂く。

槍ヶ岳をバックに常念岳山頂。

120429_5


先生もご満悦ですな。

                 120429_6                  やっぱりベストショットはこうでなくちゃ(さぶはいらない)。

昨日すれ違ったお兄さんからの情報で、蝶ヶ岳方面への下りは雪はあまり付いていないと言う。
くだりが滑る事ほど怖いものはないので、少し安心しつつ下りに取り掛かることにしました。

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2012年5月19日 (土)

【もおすけ日記】新表銀座縦走・上高地まで駆け抜けろ!8

昨日のブログを見返してみたら。

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も:『これって“さぶちゃん写真集”じゃん…。』

リンちゃんがいないと、こんなにも画面は平坦になるのか。
ウニ蔵、帰りを待っているよ、のもおすけです。
皆様こんばんにゃ。

そんなさぶちゃんには、道中で一言。

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も:『さぶちゃんとはさぁ、入籍届け出したいとかは全然思えわないんだけど、
  養子縁組とかして(養う気もさらさらないけど)名実共に姉弟になりたいよ。』

と言ったら『はぁ?なんじゃそりゃ。』と返されました。

傍から見たらカップルで縦走していると思うであろうが、さにあらず。
さぶちゃんとは、前世で姉弟だったと思うのよねー。
ああさぶ姉さんが羨ましい(歳も私と近いことだし)。

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実の姉弟だったら、テントの向きを決めるのに言い合いになってジャンケンで大騒ぎしてても
スントの標高がカウントダウンのように下がってる!と、うるさく言うもんだから
ストップウォッチじゃないの?違うよほら見てよ、ぁあ?きっとストップウォッチだよ、
違うよ、じゃあ壊れたんだスントよく壊れるって言うしねほらリンちゃんの壊れたのもスントだしあーあ壊れちゃったー残念ねーー、と言ったら首根っこ掴まれて“もっと他に言い方ないのか?ほんっとにムカつくよな。”とケンカを売られてあっさり安く買ったとしても。

ぜぇんぶただの姉弟ゲンカと、世間は大目に見てくれるだろう。

皆さん、男女二人でで縦走してるからってカップルってワケではありません。
こんな綺麗なお姉さんと口の悪い弟との凸凹コンビがおくる、新表銀座縦走・8でございます。

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大天荘の休憩から、再び出発。

120428_26                         クラックがビシバシ。こわー。


去年は私が吹っ飛ばされて、四つんばい状態で移動した横通岳のコルも
お散歩気分でのほほんと通過。
雪のある山は、雪と天候で恐ろしいほどに変わります。
こんなに楽なのよね、穏やかだと。

雪庇もずいぶん溶けかかっていました。

120428_27                              下から見てもコワー。

トコトコトコと、これまでに比べたらゆるモードで歩く。
でも大天井から常念小屋までって。
実は結構な距離があるんですよね。
どうしても歩きやすい道だから、すぐ着きそうなイメージがあるのですが
これがなかなか着かない。
ようやく小屋を見下ろせる所まで来て、ホッとしたのも束の間。
ここからが、また意外に長いのです。

120428_28

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ここから常念小屋までの道がすごかった。
この日、常念側からすれ違った人は、たったの一人。
ハイマツの中の登山道の雪がスカスカ。
一歩進む度に、膝まで、腿まで埋まるのだ。
歩きにくいったらありゃしない。

そんな道を小屋を目の前にして、ズボズボ、ズボボ。
後もう少しと言う所で、足を置いた途端、一気に腿の付け根まで落ちた。

そして。

動かない。

抜けない。

入ったんだから出るだろうと皆さん仰るでしょう。

でもね、出ないんですよ。
押された体重の重みで足回りの雪はガッチリと固められ、ビクとも動かない。

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も:『イタイーーー!動かないよーー。』

さ:『グイって引っこ抜けよ。』

も:『それが出来たらやってるよ(涙)。』

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前後にずらしても、かかとが引っかかって抜ける気配が全くない。
そのうち全体重&ザックの重さを全て支えている右足の付け根まで、痛くなってきた。
しかも動かせないのは、昨夏に靭帯切った左足。
動かせば動かすほどに痛い。

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も:『ちょっとさぶちゃん。なに笑ってんのよッ、痛いんだから助けに来てよッ!!』

さ:『オレだって無理だよー。』

確かにさぶちゃんもズボってるけどさ。
ヘラヘラ笑って見てるなんてひどいじゃん。

だんだん抜けないことに腹が立ってきた。

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も:『もーーーーーー、何で抜けないのよーー!キィーーーーーーッ!』

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と、もおすけ発狂してピッケルで足元の雪を滅茶苦茶にかき出す。
さすがにそれを見たさぶちゃんが、ようやく助けに来た(遅いよ)。

イタイイタイ。
イタイイタイイタイ。

こうしてようやく足が抜けた私はぐったりと疲れ、先ほどまでの楽しかった気分は何処へやら
もぅやだもぅいいよ、と小屋を目の前にしてワケわかんないスネに入ったのでした。

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2012年5月17日 (木)

【もおすけ日記】新表銀座縦走・上高地まで駆け抜けろ!7

目指すは三蔵法師様。
広いココロのもおすけです、皆様こんばんにゃ。

今回の縦走前の打ち合わせの電話。

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も:『今回はさぁ、さぶちゃんのテント一つで行こうよ。』

さ:『はぁ?またオレのテントに寄生かよ。』

も:『ム 何が寄生よ。だって今回は全部稜線上のテン場だよ?暴風が吹いたら一発で倒れるよ。』

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振り返れば北穂。
今日は無風だ、と適当コンビの私達は適当なペグの打ち方をして、日付変更線を越えてからの
深夜の爆風にやられ、さぶちゃんテントの生地は破れ、ポールも曲がってしまった。

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そして、そのテント修理中。

滅茶苦茶さぶちゃんは我慢しきれず、11月の富士山に一人ツェルトで臨む。
当たり前だが、閉山期。
そして11月の日本一高い山頂。
またもやあっさりとツェルトは爆風にやられ(ツェルトなんだから当たり前)、その晩彼は
孤高の人が如く、ツェルト生地にくるまってやり過ごしたとか。
(そして軽く凍傷。)

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さすがの無謀男・さぶちゃんも、爆風のテントには懲りたらしい(むしろ他にも色々懲りて欲しい)。

“風が強い所のテント”にだけは慎重だ。

も:『ましてさぶちゃんのテントは2~3人用でしょ?またポール曲がるよ。』

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でも、その実 秘かな私の目論見は。

さぶちゃんのテントの心配よりも(おっと)、まずは荷物軽量化。
去年の暴風の大天井直登コースは、半端じゃなかった。
少しでも荷物は軽くして、出来るだけリスクは減らしたい。

そして、気温。
寒い日の晩なら、ソロのテントは猛烈に気温が下がる。
寒すぎて睡眠不足も、山行に響く。
これが二人のテントとなると、驚くほど温かいのだ。

さらに行動力。
ソロだと、ついペースが遅くなってしまい、片付けに時間がかかってしまう。
すなわち出発が遅くなる。

ほら、悪い事づくめだ。

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も:『今回は、なんとしても上高地まで駆け抜けたいじゃん。ね?荷物は出来るだけ減らそうよ。』

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私の目論見は内に秘め、さぶちゃんを説得させる。

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さ:『…わかったよ。でもその代わり、“ゆとり教育”だかんなっ。』

も:『はぁ?』

さ:『“テントの中に雪を入れないで”とか“砂でザラザラしてる”とか“散らかっててやだ”とか言わずに、広いココロを持って接してよ。』

も:『…(ププ)、しょうがないな、今回はゆとり教育で甘くしといてあげるよ。』

と、人様のテントに入れて頂くのに上から目線な私と、
泊めてあげるのに、下から目線のさぶちゃん。

こんな二人の新表銀座縦走・いよいよ大天井直登編です。

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なんだかんだ言いつつも、最高のお天気に恵まれ、ここまでは楽しく歩く。

やっぱり山には男性の方が絵になるねぇ。
ヨッ、さぶちゃんオトコマエ!
(と、ここで担いでおこう。)

                
120428_m                          今日、ここ歩いてるの俺達だけだね。

トレースのない道を歩く不安と爽快さ。
いよいよ今回の核心部・大天井岳の直登に取り付きます。

幸いなことに、今年は微風。
岩にしがみついても、ザックごと揺さぶられた去年とは違います。
ただ怖いのは、雪崩。
驚くほどの気温の高さで、雪が溶けることが怖い。
融雪を考えるなら、本当ならAM8時前には取り付いていたかった。
でも、蛙岩やここまでの道の雪の緩さで慎重に歩いたため、9時からの取り付きとなった。

登り始める。

やっぱり雪が緩い。

ここに来るまでで、急登なのに足が腿まではまった所があった。
ザックの重さで体が後に傾き、体を起こすのも足を抜くのも雪が崩れそうで怖いし大変だった。

も:(ここの急登であんな空洞があったら、一瞬で滑落だな。)

目の前の雪が、体重を乗せても大丈夫なのか。
踏み固められていないだけに、怖いから慎重になる。

一歩、一歩。

ゆっくりと体重移動しながら登る。

120428_14


下から見ても、8合目の所に表層が滑り落ちている箇所があった。
あそこのあたりは特に慎重にね。
クラックがあっても、下からだと見えにくいから。

途中、りんちゃんやさぶちゃんが嫌がっていた、急なトラバースも横切る。
ココ、ちょっとでもつまづいたら滑り台状態だ。

下を見ると怖くなって、余計足元がおぼつかなくなるから
目の前の雪面だけに集中する。

今回、直登を登るにあたって、“とにかく尾根筋の岩場をまっすぐに登ろう。”と二人で決めていた。
ここが一番安全なコースだと思う。
上高地側の雪面は雪崩の危険性が。
裏銀座側は、浮石が多くこちらも危険。
雪が少し付いていると、その下の状態がわかりにくく、でも影響を受けやすい。

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さ:『もう8合目辺りかな。』

も:『もうちょっと。』

少し引き目で考える私。
ゴールが近いと思うと、つい気が急いて足元が危なくなるから。

ようやくゴールが見えてきだしたのは、9合目あたりだった。
ここまでは、やはりカメラを出す余裕はない。

先を行くさぶちゃん。
あと少しです。

120428_15                        ただひたすらトレースのない雪の上。

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さ:『やったよ、着いたよ。』

さぶちゃんの声に慌てないように、慎重に最後まで登ったら。
目の前に山頂の道標と、なだらかな斜面が。

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も:『ああ着いたーー。怖かったーーー!』

でも、そこには最高の景色が待ってくれていました。

120428_17                                  2012・4・28 大天井岳登頂

山頂は無風で、まずはさぶちゃんと握手。
そして景色を堪能する。

風が強ければ、寒くて5分と立っていられない山頂も今日はご褒美デーだ。
穏やかな春の日差しは、ここ2922mの上にも降り注がれ暖かいと感じるほどだった。

よかったね、よかったね。
リンちゃんが一緒じゃなくて、本当に残念だったね。
出来れば今日も、3人で来たかったよね。

などと色々話す。

こんなにいい天気だもの。
さすがにちょっとゆっくり休憩しようよ、と大天荘へと向かう。

さぶちゃんの足取りもゴキゲンです。

                120428_18                           誰も踏んでない山頂の雪はいいよね。

何度も周りを眺めながら。
景色を満喫しながら、降りて行きます。

見て下さい、この真っ青な空と真っ白な雪を。

              120428_19                                   そしてオイラもね。


大天荘のテーブルとベンチで、軽くお昼タイム。

ああ気持いい。

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さ:『こんなにいい天気でさ、山頂にずっといても寒くないって珍しいよね。』

も:『うん、本当にご褒美だよ。去年の分まで楽しませてもらってるね。』

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楽しい楽しい、最高だ最高だと何度も言い合いながら大天井の景色を満喫。

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120428_22                     ずっとここで遊んでいたいよ、と私。

さ:『なんだよ、楽勝じゃん。』

と、今年の冬季小屋をあっさりと開けるさぶちゃん。

120428_20


ちなみに去年は、こんなに苦労しました↓

 110429_41                  小一時間、開かなかった凍てついた扉。雪は真横に飛ぶ。

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さ:『去年はこんなに小屋が現れてなかったもん。』

鉄の扉が開かなくて、この横の窓から入りました。

120428_21                    出る時は、またきちんと木戸も閉めましたョ。

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するとさぶちゃん。
今度は大天荘の雪に登って滑り台を。

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あーーー、ずるいーもおすけもやるーーー、でさぶちゃん撮ってーーー。

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この人は、もおすけの変な写真を撮らせたら日本一です。

 120428_23                     誰が撮ってくれと頼んだこんな写真。

真似っこしんぼ。
わぁーーいと滑り降りる。

120428_24


ほんとは、まだまだここでのんびりしていたいけれど、小屋には14時台には着かなくちゃ。
名残惜しいけれど、出発です。

最高のお天気と景色をありがとう、大天井岳。

120428_25


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2012年5月15日 (火)

【もおすけ日記】新表銀座縦走・上高地まで駆け抜けろ!6

ある日の私。

道の駅で“カンゾウ”なる山菜を見つける。

こんなん、横須賀でも関西でも見たことないやー。

一瞬買おうかと思ったが、“イヤ待てよ、そこらに生えてるかもしれない。”と
かんぞうをじっと見る。

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ジーーーーーーー。

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そして二~三日後、通勤途中の土手で似た色の草を発見(運転中)。

二日ほど行き帰りに観察して、三日目の朝。
少し早起きして、行きがけにむしってビニール袋にポイッ!
で、職場に着いてから、

も:『ササキさ~ん、これって“カンゾウ”ですか?』

サ:『どれどれ?これ、夏に黄色い花が咲いてたか?』

も:『移住したばっかでどんな花が咲くか、知りませーん♪』

サ:『多分、カンゾウ系の葉っぱだと思うけど。』

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ジーーーーーー。

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も:『ヨシッ!折角摘んだのだから茹でてみよー!そいでもって危険そうやったら辞めとこー。』

と、誰に宣言してるんだか、一人事務所でテンション上がる私。

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そして、お昼休み。

早速 湯掻いた。

120413_                               迷うことなく鍋に投入。

そしてあっさりとラーメンに乗せる。

120413_1                            事務所のキッチンはもはやワタシの台所。


も:『お腹痛くなりそうだったら、やめればいいもんねー。』

とか言いながら、時間差攻撃と言う単語を知らない私はパクパクと食べる。

結果、お腹は無事でした。
これはヤブカンゾウという山菜のようです。

人類はこうして食べれるものを覚えていったのね。
考えてみれば、小さい頃から私は『うん、これ美味しそうだ。食べれるかな。』と
思うが先か、何でも口に入れていた。
今までよく毒草に当たらなかったものだ(野生の勘かラッキーなのか)。

ちなみにこのヤブカンゾウ。
この新・表銀座縦走にも炒めて持って行きました。
そんな表銀座縦走の報告・続きです。

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表銀座側の影が、西側にくっきりと見える朝。
綺麗です。
120428_4


サクサクと歩く私達二人(だけ)。

蛙(げえろ)岩まではトレースがありました。
問題は、ここの通過。
冬道は岩のトンネルのような隙間を通過するのですが、いかんせん荷物が大きい。
シュラフマットも外付けの私達には、およそ通過は不可能だ。

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も:『右側はダメだわ。この先断崖。そっちは?』

さ:『こっちは夏道なんだけど・・・切れてるよ。嫌な雪のつき方してる。』

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クライマーでない方のために説明をしておきますと、切れてるとは断崖絶壁で切り立っている状態のこと。

となると、やはりザックを降ろして通り抜けるしかありません。

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も:『私が先行くわ。』

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小さい私が先に行って、後から荷物を押し上げてもらうなり何なりすれば、
さぶちゃんが通れるかもわかると言うもの。

でも、行けるとこまで行きましたが、やっぱり通れない。
出来れば荷物を外すのは、危険だけど仕方ない。
荷物を外し、ショルダーにピッケルを掛けて雪に打ち込み、這いつくばって登る。
でも吹き込んでいて人が通っていない岩陰の雪は、ふかふかで足が太腿まで埋まってしまう。
時間が経てば経つほどしんどくなる。
とにかく夢中で上まで上がる。
片手でザックを引っ張り揚げる。
でも23kgくらいはあるだろう。
マットも岩に引っかかったりで、上ってこない。

も:『いっつも壁で自分の体を支えてるんだから、引き上げられるはず!んーーーーーっ!!』

と、ボルダリングジムの時を思い出し、自分を鼓舞する。
そうでもしないと、上がってくる気配が全くない程に重かった。
下にいるさぶちゃんも、自分のことで精一杯。
私の荷物を押し上げる余裕はない。

片手で持ち上げる。

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ん゛ーーーーーーーッ!

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やっとの思いで引き上げる。

120428_5                        さながら洞窟から這い出てきたかのようなショット。

さぶちゃんも続いて荷物を持ちながら、上がってくる。
さぶちゃんの方が、更に重い。
引っ張りながら押しながら、何とか引き上げ、さぶちゃんも無事通過。

ここでこんなに苦労するとは思わなかったね、と二人。

しょっぱなで『あれ、ここで撤退?』なんて言葉が一瞬頭をよぎった程でした。
ザックを背負って、再び出発。
ここからはもうトレースもありません。
雪の状況もわからないので、更に慎重に進んでいきましょう。

去年もここで撮った道標の所で一枚。
今日は最高のお天気。



120428_7_2


ここから登ったり、

120428_8


降りたりを繰り返して。
途中、雪庇には大きなクラックがいくつも出来ていてヒヤヒヤさせられました。

120428_9                                    この横を通る恐怖ったら。


そして大好きな空中散歩道。
今年は雪が付いていませんでした。
やっぱりここは撮らなくちゃね!ってことで、さぶちゃん。

120428_10


続いて私。

120428_11                           やっぱりここはいつ通っても楽しい場所です。


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鎖場などを経て、最低鞍部に到着。
この後は、去年本当に怖かった大天井の直登コースが待っています。

ここで少し休憩して、体勢を整えてから直登に臨もうってことで小休止。
いやー、裏銀座とクリームチーズパン、似合うねぇ。

120428_12            一口食べてからでないと写真が撮れない私は、母譲りの待てないさん。


ここでさぶちゃん。
おもむろにジップロックを取り出して、ミックスナッツを齧る。
ちなみにさぶちゃんは、ジャイアントコーンが大好きだ。
レーズンやアーモンドの中に、このジャイアントコーンをたくさん入れて持って来ている。
それを見た私。

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も:『くるっくー。』

さ:『え、何?』

も:『くるっくー。』

さ:『ああ、欲しいの?』

も『くるっくー。(そう、ジャイアントコーンちょうだい♪)』

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無言で手のひらを差し出す私。
袋の中から取り出そうとするさぶちゃん。

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も:『レーズンはいらない -_- (←ここだけ日本語)。』

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するとさぶちゃん。たくさんジャイアントコーンを取ろうとするので

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も:『くるっくくるっくー!』

さ:『ぁあ!?…二個でいいんだな?』

も:『くるっくー♪(そう。)』

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私は食いしん坊なので、人の食べているものが欲しくなります。
なので、いつもさぶちゃんのおやつを一口奪っています。
でもさぶちゃんは『ちょっとちょうだい。』とか、今まで言ったことがありません。
(と書いてて気付いた。)
さぶちゃん、えらいねぇ。
(でももっとクライマーとしては、違うとこを褒めて欲しかろう。)

さあ、いよいよ直登です!

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2012年5月14日 (月)

【もおすけ日記】新表銀座縦走 中房から上高地まで駆け抜けろ!5

28日 AM4:30 晴れ

目覚ましで起きる。
去年に比べたら、考えられないほどの暖かい夜だった。

燕山荘さんからいつも見せて貰えている、ご褒美の雲海の朝景色。

120428__2

朝食は、昨日の残りの麻婆春雨にご飯を入れておじやにした。
リンちゃんが来ると思っていたので、三人前の麻婆春雨を持ってきたのだ。

食後のホットコーヒーでホッとしてから、支度をする。
テント撤収。
燕山荘のスタッフさんに、この先の道の状況を尋ねたら、

ス:『まだスタッフもお客さんも、誰も行っていないのでわからないんです。』

わお。

トレースを期待していたわけじゃなかったけど、誰も歩いていないとなると
先の道の情報もなく、ちょっと心細い。
だって、今日だってこの道を行くのは私達だけである(他の人は全員下山)。

逆ルートからの登山者もそう期待は出来ないだろうな。
今回は、ただひたすら雪崩にだけ気をつけよう。
そう話して、小屋を出る。

唯一のテン場友達だったお兄さんに頼んで写真撮影。

さぶちゃん、どうしてこんな変な顔なの。

120428_1                         せっかくの出立なのに、変な顔のさぶちゃん。

さあ!

私の中では、ここからが縦走本番。
去年より雪が少ない分、天候が穏やかな分、頑張れるはず。

まだ硬い雪にアイゼンの歯を差し込みながら歩く。
視線を横にやると、目線の高さに太陽がある。
ザック越しに見えるこんな風景が、山の上にいるのだと改めて実感させられ、嬉しくなる。

120428_2


さぶちゃんも景色を満喫。

120428_3                         裏銀座もきれいだ。

こうしてウキウキしている間に、二人への試練は早くも訪れてくれたのでした。

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2012年5月11日 (金)

【もおすけ日記】新表銀座縦走 中房から上高地まで駆け抜けろ!4

時間の乱れは心の乱れ。
皆様おぱよう、おさるのもおすけでございます。

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最近のワタクシと言えば、うたた寝したまま4時前におきて
ブログ更新(実はタイマー更新じゃなくて、リアルタイムで更新してました)。

時間と部屋の乱れはココロの乱れ、と自分に言い聞かせ、
修正モードに無理矢理スイッチを入れます(でないと部屋は、すぐに凄い惨状となる)。

せめてこの新・表銀座縦走録は早く書き上げないと。

そんなわけで、本日もホイ元気にいってみましょー☆

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2012年 4月27日

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G・W前には里で遊び呆けていた私。

120408_3                              残ったフキノトウは蕗味噌に。

 
一番好きな山菜はこれ↓

 120414_           この先、全部摘み取らないといけない義務感に駆られるつくし(恐ろしい量)。

燕山荘に着いた私は、すっかり体はバテててお疲れモード。

天気は最高。
早くゆったりと休みたい。

さぶちゃんのショベルと、燕山荘さんから借りたショベルでテントの地ならしをする。

ところがこの地ならし。
何故かさぶちゃん、やり出したら止まらないのである。

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も:『ねえ、もういいよ。テント張ろ?』

さ:『・・・(背中で無視)。』

も;『ねぇさぶちゃんてば。もういいじゃん、どうせ体温で雪溶けるんだしテント張ろうよ。』

さ:『・・・(相変らず無視)。』

も:『もぉッ!私は疲れてるんだってば明日に疲れを残したくないんだから、もぅ早くーーッ!』

おもむろに振り返ってさぶちゃん、

さ:『あのなぁ、地ならしってのは大切なんだよ。フライヤーしたら、それなりにスペースいるだろ?』

も:『そんなのもう十分だよ、いいからさっさとテント出せッ、ばかさぶッ!』

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と、体でザックの方に押しやる私(と、対抗して踏ん張るさぶちゃん)。

エェイさっさと切り上げろ、 お、なんだやるのか?とギュウギュウ押し合い。

この日のテントは、横のソロのお兄さんと私達だけ。
お兄さんは私達のやり取りを見て笑ってました。

そして、私のペグの打ち方を見ては、

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さ:『ペグってのは大事なんだよ。俺は北穂で痛い目を見たんだから!こんなんじゃダメだ!』

とかエラそうに指示る。ペグ打ちにだけは特化して慎重なさぶちゃん。
(どうせなら、他ももっと慎重派でいてくれ)

ギャーギャー言いながら、ようやくテント設営完成。
西日に映える静かなテント場。

120427_6                               うるさいのは私達だけ。


少し寒いけれど、ベンチに座ってお茶タイム。
この景色を堪能しない手はない。

             120427_4


私はうまい棒とカフェ・モカ。
さぶちゃんはお約束のビール。
で、乾杯。

120427_5                     よーーーーーやくホッとすることが出来ました。


今年もバテてしまったけれど、去年に比べれば まずまずの出だし。
夕食前、テントの中で休んでいたら、さぶちゃんが『見てごらん。』と
入り口のファスナーを開けて見せてくれた夕景は。

風で ばたつくテントのフライヤーの向こうには、裏銀座のシルエットだけを映し出した空。
一番星を輝かせながら、静かな夜の帳が降りようとしていた瞬間でした。

120427_7

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2012年5月 8日 (火)

【もおすけ日記】白馬岳事故に想う

Monkey magicの“Together”がとってもよく似合う松本の朝です。
皆様おぱよう、おさるのもおすけでございます。

更新が滞ってしまったのは、急遽神戸の友人・宮りん夫婦が遊びに来てくれたこともあったのですが
どっちを書こうか、ずっと迷っていたからです。

でも、どうしても素通りしてしまうことが出来なかったのは、
やっぱり私が大好きな、白馬岳で起きた事故だからかもしれません。

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ニュースを見た母から心配して電話があり、私はその事故を知りました。
母の曖昧な情報で“雪崩”も起きてると聞いた私は、 室堂へ山ボードに行ったさぶちゃんにメール、

『大丈夫?』。

幸い悪天候で、既に下界に降りていたさぶちゃんから電話で返事をもらって安心しましたが。

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翌日の地元紙・信濃毎日新聞には、視線を逸らすことが出来ないほどの痛々しい写真が載っていました。

県警のレスキューへリで、救助隊の方が亡くなられた方を抱え吊り上げている様子を
上から見下ろすアングルで空撮した写真。
あまりに衝撃的なその写真を見ていると、横からフクちゃんが静かに一言、

フ:『アイゼンとか外してるね。』

視線を下に移すと、真っ白な雪の上には登山者のアイゼンやピッケル、ザックが散乱し、
そしてこれから収容するであろう 亡くなられた登山者の姿もはっきりと見て取れました。

その圧倒的なまでの写真の様子と記事の詳細を読んでいると
なんだかあまりに切なくて、涙が出そうになりました。

私の大好きな白馬山系。
晴れていたら、最高の景色の場所なのに。

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春山は、晴れれば夏山、でもひとたび天候が荒れれば冬山の形相と化します。
そういった意味で夏山より天候の予想が難しいとも言われている様です。
私達自身も、去年と今年の同じ日程でそのどちらも体験し、あまりの違いに驚きました。

今回はしっかりとした装備で登られていた様ですが(それだけに残念でなりません)、
よく山岳事故で言われるのが

何故、防寒対策が甘いのに登ったのか。
天気が荒れ始めた時点で、どうして引き返さなかったのか。

などですが、私如きが言える立場ではありません。
そして、上記の選択をしてしまった気持ちも、わかる気もするのです。

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白馬山系は、岩場などの岩稜帯が少ない分、登りやすく危険が少ないと思われがちです。

ですが、地理的に言うと北アルプスの中でも最も日本海に近い北信。
同じ北アルプスの南に位置する、蝶ヶ岳と北の白馬岳とでは
同じ時期でも雪の量や気象状況、そしてその変化の激しさにも相当な違いがあります。
そして日本一の大雪渓。

天候が穏やかで花が咲き乱れている時の山登りでは、イメージしにくいかもしれませんが
これだけでも十分に、他の険しい山々と同等レベルのハードな山なのです。

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支:『白馬岳はなぁ、実は危険な山なんだよ。』

 

と、楽しそうに受付を済ませた登山客の背中を見ながら、支配人がよく言っていたのを思い出します。

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私が白馬山荘で働いていた時。

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温暖な地域に住まれている方ほど、軽装で登って来られる傾向が強いと感じました。

日常が暑いほどの気温だと、山の上の“寒さ”がどうしても想像しにくい。
インターネットで山頂の気温を数字で表記されていても、今、自分が暑いとイメージが沸かない。

『6月に、フリースなんて大袈裟か…』

などと思ってしまう人達を、私は責められません。

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山荘で、ストーブに当たりながらホットコーヒーをすすりながら見る
夕方のニュース前の甲子園の野球中継。
神戸でうるさいほどの蝉の声を聞きながら、蒸し暑い部屋で甲子園中継が映ると
『ああ、この画面を見てるだけで更に暑い…。』と思っていた映像なのに。

寒い山の上で見ていると『多分、向こうは暑いんだろうなぁ…。』と頭では思っても
感情がついていかないのです。

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イメージできない。
なんと貧しい想像力。

だから、南国の方達が装備が手薄になってしまうのはわかる気がするのです。
実際、九州・沖縄・四国など暖かい地方のお客様は『こんなに寒いと思わなかった。』と仰り、
売店で慌てて手袋・フリース・シャツなどを買われる光景が何度となくありました。

人は暑さ・寒さに耐えられる体なだけに、温度差のイメージに鈍感なのかもしれません。

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そしてもう一つ、非常によくあったお客様とのやり取り。

アイゼンを持ってこなかったお客様にレンタルをお薦めすると、悩まれる方の殆どが

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『荷物が重くなるから…』

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と借り渋る事でした。

使わなかったら無駄な荷物になって、ただ重いだけ。
1gでも軽くしたい、とは女性客と中高年の方々が必ず言う台詞でした。
勿論荷物が重くなりすぎてバテてしまうのも危険です。

でも、私は必ず付け加えました。

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も:『今日の雪の状態なら、降りれる人ならアイゼンなしでも降りられるでしょう。
   でも、雪渓で落石が起きて急いで横に逃げなくてはいけない時、アイゼンがあるのとないのでは
   逃げるスピードが全然違ってくると思います。』

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と。
そして、こうも言いました。

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も:『もし使わずに降りられたとしても、それはそれで“無事に降りられてよかった”じゃないですか。
   アイゼンの重さより命の重さの方が、ずっと大きいと思いますよ。』

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本当は、アイゼンを装備してもバテない体力が必要です。
ピアノの練習を何ヶ月も全くせずに、いきなり発表会(本番)でミスなしで演奏するのが難しい様に、
事故なく3000m近い山を登る為には、最低限の事前の足慣らしは必要なのです。

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私達は、自分の道楽で山に登っています。
そんな道楽のせいで、家族や友人達に多大な心配をかけています。
だからこそ、私達は絶対元気に“ただいま!”と家に帰らなくてはいけないのです。

心配する家族。
捜索に当たる救助隊の方々の苦労。
それを心配する救助隊員の家族の方々。

楽しいはずの山での事故は、本当に切なく悲しいばかりです。

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今、お店にも“これから山を始めます!”と新しく装備を揃えるお客様が大勢いらっしゃいます。
そんな方達のお顔は、全員と言っていいほどキラキラと輝いていて
接客する私の方が、ワクワクしてしまうほどです。

日常では、体験することの出来ない最高の世界。
山の上には、いつだって最高のご褒美があります。

山での思い出は、楽しい事だけがいい。

そうあるためにも、装備・体力・知識・技術。
これらをきちんと備えて山に行かなくては、と改めて自分に言い聞かせた今年のG・Wの山でした。

皆様も、どうぞ無理をなさらずに。
そしてお山に登ったら、全員笑顔でお家に帰りましょうね。

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2012年5月 4日 (金)

【もおすけ日記】新表銀座縦走 中房から上高地まで駆け抜けろ・3

2012年5月2日。

入社後初のロング休暇を頂いた私が、久しぶりに出社すると。
開口一番にケイちゃん、

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ケ:『留守中にね、“やー、キミの書くブログは本当に面白いねぇ。”って二人のお客様に言われたよ。
   “あ、それ私じゃないです、もおすけは休みなんです。”って言っといたけど。
   それにしても、もおすけを訪ねてくるお客様は多いねー・笑。』

と。

コメント下さったサンパチさん(が尋ねたのは、ジョウネンさんでした)以外にも
皆様わざわざお店にお寄り頂き、本当にありがとうございます。
せっかく来て下さったのに、遊び呆けていてすみません。

の、もおすけです、皆様おぱようございます。

もおすけはお店を留守中、表銀座でこんなにへばっておりました。
その新表銀座縦走記・3の報告、早速いってみよー!

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去年の中房は、Hさんからの差し入れもあってザックの重さでヘバッていました。

そして今年。

3月に甥っ子と赤岳鉱泉まで散歩した位で、全く山を登っていない私は今年もヘバリました。
テントは去年の強風も考慮して、今回はさぶちゃんのプロモンテに二人。
つまり私のザックにテント類は入っていない。
でも後で考えたら、水と牛乳だけで5kgも入っていた(&3日間分の二人の夕食)。
加えてこの運動不足。

バテバテである。

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さ:『山、行ってなかったの?』

も:『寒い・怖い・つまんない、の一人の冬山なんてもう うんざりだー。』

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で、休日の天気の悪さもあって全く山に行ってなかった(この間、さぶちゃんは滑りまくり)。

その間何していたかというと。

あんなことしたり

120408_2                                           春を告げる山菜、ふきのとう採り

こんなことしたり

120408_                       ふきのとうを届けに行ったキクちゃんちで チャボちゃんと戯れ。

こんなもの食べたり

120408_4                                                    ふきのとう・独活・えびの天婦羅で夕餉。

ばっかりしていたのだ。

今更ながら、ちょびっと反省。

で、燕への道は緩く、踏み込むたびにズボズボと落ちる。
各ベンチで休むことだけを目標に、ひたすら登る。

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ああしんどい。

合戦尾根にようやく近づくと曇っていた空が青くなってきて、山登りが久しぶりなさぶちゃんは喜ぶ。

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さ:『ほら、しろぷー(さぶちゃんは昔からこう呼ぶ)晴れてきたよ。見てごらん、綺麗だよ。』

も:『ああほんと。でもそんなことよりしんどい早く休みたい。』

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呆れ笑いのさぶちゃん、

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さ:『アンタ、去年とバテる場所が一段階上がっただけじゃん(去年は第三ベンチでバテた)。』

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だって。

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しんどいねんもん。

合戦小屋で うだーーあーもぅづかれたーーーと、そそくさとザックを降ろし、休憩。

ここで人生初のドーピング剤(と私達は呼んでいる)アミノバイタルをさぶちゃんにもらって飲む。

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見上げる空。

ああ青くて綺麗だ。

120427_2

でも私は見上げる空より、眼下を流れる瀑布とか雲海が大好きだ。

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だって“雲より高いところ”にいるんだよ?

すごいよねすごいよね。
ニンゲンて自分の足だけで、ここまで登って来れちゃうんだよね。
何とかと煙は高いところが好きというが、その“何とか”な私は高いところが大好きだ。

最高の景色。

120427_3


しばし空を仰ぎながら休んでいると、

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さ:『ここからあと1時間か。』

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と、悪魔の声が聞こえた。

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小屋が見えてからが遠い、と何度も思い知らされながらも、ただひたすら歩く。

かわいい燕山荘さんが見えてからも、まだ遠い。

テントの受付をするために、最後はさぶちゃんに先に行ってもらう。

去年よりは天気がいい分、ずっと楽だけど それでも体はしんどい。

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でも、やっとの思いでたどり着いた燕山荘には、暴風と雪とで荒れていた去年のそれとは
全くの別物の景色が待っていてくれていました。

120427_4

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2012年5月 3日 (木)

【もおすけ日記】新表銀座縦走 中房から上高地まで駆け抜けろ!2

仕事に戻ったら、激忙のもおすけです。皆様深夜にこんばんにゃ。

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そう、そして先日もバタバタと仕事をしていたらお客様に呼び止められて

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お客様:『あの… もおすけさんですか?』

も:『あ、ハイ。そうです。』

お客様:『以前、ブログにコメントさせて頂いたものです。』

も:『あー、静岡からいらして下さった…』

お客様:『ハイ、そうです。今日はもおすけさんいるかなぁと思って寄ってみたんです。』

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何でもこのご夫婦は、毎年信州に日帰りで桜を見にいらしているのだそうで
今回は山登りではなく、その帰りに寄ってくださったらしいのです。

あー、もっとちゃんとメイクしておけばよかった(接客業のくせに最近手抜き気味)
等と心の隅で思いながら、暫し歓談。

お客様:『山登り、気をつけてくださいね。』

と、ご心配までして頂き、仕事に戻ったのでした。

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嗚呼それにしても最近仕事が忙しい。
春ものの入荷品を店頭出ししても、追いつかない位に毎日やってくる。

忙しいので(ので?)メイクも雑になりがちですが皆様どうぞお許しを。
そんな言い訳もおすけの新・表銀座縦走の報告その1、のはじまりはじまり~。

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2012年4月27日 曇りのち晴れ

前々日から準備をするも、やはり前日は慌しい。
結局0時に眠りに就き、3時半に起きて準備。
ところが集合場所にちょっと遅れると言うことで、二度寝。

5時半に再び起きて、松本に集合。

天気は今一つな曇り空だけど、雨マークがついていなかっただけラッキーだ。
車を一台沢渡に置き、残りの一台で中房へ向かって走る。

その時、丁度リンちゃんからメールが。

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リ:『昨日も終電。今も通勤電車の中。最後まで粘ったけど休み取れなかった。』

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とのこと。

残念。

忙しいから燕山荘一泊だけでも3人で楽しもうと言っていたのに、やっぱり無理だった様だ。

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さ:『リンちゃんも一緒がよかったなー。』

も:『うんうん。やっぱり3人で騒ぎたかったよね。』

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と、残念に思いながらも車を飛ばす。

中房に着いて身支度をする。
が、どうもこの時間が長い私。
『今日は燕山荘までだから、急がなくてもいいじゃん。』と言われても
やっぱり準備時間は手早く出来るようになりたい。
のに、なかなか出来ない。

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AM9:48、中房駐車場を出発。

今年は雪が多くって、去年は第三ベンチからアイゼンを着けたが
今年は第一ベンチから着けた。

昨日までの雨で、雪が重くこの気温の高さでかなり緩い。
すなわち歩きにくい。

そんなこんなの去年撤退を余儀なくされた表銀座リベンジ、今回の相棒はこの人のみ。

120427_                                       皆さんおひさ、オイラです。

そう、さぶちゃんと二人になってしまった。

歩きにくいねぇと言いながらも登っていく。

あ、このお方もいらっしゃいました。

120427_1                  皆様おひさ。天蓋の中から失礼します。

今回はこのメンツでの縦走となりました。

続きは明日~。

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2012年5月 2日 (水)

【もおすけ日記】新・表銀座縦走 中房から上高地まで駆け抜けろ・1

皆様おひさ。

おさるのもおすけでございます。

無事に生還してまいりました。

今回のご報告は、今夜に。

さて、今日からしっかり働きますよー!

まずはご報告まで。

夜のご報告をお楽しみに♪

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