« 【もおすけ日記】バリエーションルート・北穂東稜&滝谷主稜に挑戦・3 | トップページ | 【もおすけ日記】バリエーションルート・前穂北尾根に挑戦・5 »

2012年8月 9日 (木)

【もおすけ日記】バリエーションルート・北穂東稜&滝谷主稜に挑戦・4

何故か家にあった、パクチー(香菜)の種。

プランターに蒔いて水をあげたら、まったく似ても似つかない葉っぱが生えてきました。
海外もののパッケージですが、イラストはまんまパクチーの葉。
なのに、見た事もない肉厚な葉っぱがグングン育っております。

どういうことよ、一体。

でも博愛主義のワタクシは、このワケわかんない葉っぱをそのまま温かく見守って育てていきます。

どんな花を咲かせることやら。

おっと、皆様こんばんにゃ。
おさるのもおすけでございます。

では、昨日は敷布団を掛け布団にして、畳で転がって寝てしまった分を取り戻すべく
(ひどい寝方だ)、頑張って書いていきましょう。

ヴァリエーションルート・滝谷第二尾根主稜の報告です。

-----

北穂小屋から、飛騨側に降りていく。
当然ながら登山道などないから、安全そうな所を探して歩いていく。
鞍部で小休止。
ここでアイゼンとストックをデポしていく。

更に下る。
とにかくここは東稜よりも圧倒的に浮石が多い。
『浮き浮きパラダイス』だ。

様子見で先を行くおやびん。
    

こんな急なとこスタスタと二足歩行されると、私の心臓に悪いよー。

                120704_25                          大丈夫。オレ様はガイドだから。

結局この先は切れていて、断崖絶壁。
急斜面の雪渓をトラバースしなくては降りられない、てことで私がアイゼンなどを取りに戻る。
そんな私を待つ二人。

          120704_26                   写真なんかいいから、速く来いよー。

更にアップで。

                 120704_27                       向こうもこっちを撮っていました。

それにしてもすごい景色だなぁ。
一般登山道でないだけに、高度感も一際です。
ここからアイゼンをつけて、トラバース。
岩に対して、私たちの小ささよ。

 

120704_28                          いざ、雪渓を横切るぞ!

とにかく急斜&アイスバーンなので、怖かったです。

            120704_29                     慎重に慎重に。コワーーー。

滑ったらどこまで落ちるんだ?っていう雪渓を何とか通過して、次のステップへ。
私達が渡り切ると、トポで場所を確認するおやびん。

             120704_30                               初のルートで確認ちゅー。

当たり前ですが、登りは何かあれば引っ張れるおやびんが先頭。
危なっかしいもおすけを真ん中に、さぶちゃんが最後尾。
下りは逆の順となる。
流石のさぶちゃんでさえ、このへっぴり腰具合である。

120704_31                         だって乗る石乗る石、揺れるんだぜ。

そしてこの傾斜。

ここは本当に浮石パラダイスだった。
安全な場所で、ピヨコ隊は一旦停止。
おやびんが道を探す。
120704_32                       あーー、この先も切れてるわー。

見てるだけでコワい風景。

120704_33                      ダメだ、戻ってもう少し下るぞ。

どうでもいいけど、ヒョウヒョイ二足歩行されると私の心臓に悪いってばー!

散々下って、ここからようやく登り返す(クライミングの始まりです)。

こうして書いてて思ったが、わざわざ登って下ってまた登るなんて、山登りって愚かな作業よねー。
されない人からしたら、本当にそう思う事でしょう。

でもね、多くの人がわざわざ登りに行くのは、それ以上の最高の瞬間があるからなんですよ。
言葉では表現しきれぬこの感動。
ぜひ皆様もお試しあれ。

.

閑話休題。

.

まずは、おやびんが先頭切って登ります。
どこにもビレイ(安全確保)取ってないのに、恐るべし速さ。

       120704_34                            こう見えても一応プロですから(口は悪いけど)。

あっという間に岩の彼方へ。

120704_35                               スパイダーマンか、おやびんか。


おやびんが上でビレイを取って、準備をする間。
私は最近ちっとも写真を撮らないさぶちゃんに、カメラを渡す。

するとどうだ。
彼はその瞬間に、シャッターを押した。

.

も:『ちょっと。こんな登ってもない写真撮ってどうするのよ。』

.

人の話を、まったく聞いてないさぶちゃん。

.

   
さ:『…わかった!しろぷー、なんか今日の いで立ちはアレだ “立てこもりのレゴ”だ!』

.

と、さぶちゃん。
何の事かと思って写真を見たら、爆笑してしまった。

確かに“立てこもりのレゴ”な感じだ。

.

120704_36                       動きはレゴ、そして立てこもりな空気満載のヘルメット。

.

言いえて妙。

さぶちゃんは日系人並みの語彙の少なさだが、時々うまい事を言う。

こんな事して遊んでると、上から声が。

.

お:『よーし、いいぞー。上がって来い!』

.

ロープの順番で、私から。
後ろにさぶちゃんが続く。

殆ど人が入っていない山は、岩が乗っかっている&くっ付いているだけの所も多い。
掴もうとすると、グラグラ揺れる。
掴む所もない場所も。
そんな時は、岩の隙間に手を挟み込んで、それを支点に登る(ジャミングと言います)。

とにかく必死なピヨコ隊。

120704_37                            どこに手を掛けりゃいいのさ。

120704_38                           あっちもこっちも揺れてるよー。

なんとか急登をやり切れば、次はこんな切れた稜線。
そしてまたしても掴む所掴む所、浮石だらけ。
120704_39                                ぎょえーー、こわーーーー!

断言しましょう。

当たり前ですが、大キレットなんかよりずっと怖かったです。

そこここ揺れてて浮石だらけだし、鎖はおろか手を掛けるところもないし(手付かずの荒れ放題)。

ルートのすべてが凄かった。

このキレットを、何とか超えた所でおやびん、

.

お:『あ、そこいいトコだから写真とってやるよ。』

.

と、言ってパチリ。

120704_40                     頑張った分だけ、最高のご褒美(怖くてさぶちゃんに捕まってたけど)。


この日最高のショットは、二人ともお気に入り。

こんな天気のいい日で無風なんて。
最高のクライミング日和だー。

足元は揺れておぼつかないし、常に緊張で気が休まる暇もない。
それでも楽しい、のだ。

コワゴワしながらも、喜ぶ私達。

そんな中、常に冷静で次の準備をするおやびん。

       120704_40m_2                              次のピッチ行くぞ。
流石のさぶちゃんも、この日はおよび腰。

120704_41                                   うわー、すごいぞ下。

こんな所を再び三度。ピヨコ隊は必死で登って行きます。

120704_42                  どこまで続くのーーー!?、たのしー、でもコワーーー!


断崖にへばりつくもおすけ、頑張っております。

120704_43                              ええと、隙間に指を差し込んで…

山頂までは、まだ遠い。

120704_44                         ふむっ!頑張れアタシッ!(と豆粒さぶちゃん。)

.

こんな事を幾度となく繰り返し、ようやくピークにたどり着く。
帰りはおやびんはグリセードで、ピヨコ隊は後ろ向きに両手も使ってザクザク降りて。

最後はのんびり降りていたら、二人はサッサと涸沢小屋のテラスにたどり着いていました。

120704_45                      こうしてみると、ヨーロッパの小屋のテラスみたいね。

ここで三人で乾杯&おやつタイム。
お、先生も登頂ですな。

120704_46                                やったぜ、登頂~♪

テラスでのお茶タイムを満喫してから部屋に戻る。

ゴロンと寝転べば、窓からはこんな景色が。

120704_47                             明日はあそこを登ります。

この日も夕飯は、大層美味しく、

120704_48                  どうしても一口食べてからでないと、撮れない私。

食後にコーヒーを飲み、またまた岳を読んだりして消灯タイムまで遊ぶ私達。

北穂東稜に滝谷尾根。
有名なのは東稜ですが、ハードだったのは断然 滝谷尾根。
でも、そのどちらも最高に楽しかったのでした。

今日も明日も岩登り。

本当にありがとうね、おやびん。

120704_25_2                                    よせやい照れるぜ。

.

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ ←  次回はヴァリエーションのクラシックルート・前穂北尾根です!
にほんブログ村

« 【もおすけ日記】バリエーションルート・北穂東稜&滝谷主稜に挑戦・3 | トップページ | 【もおすけ日記】バリエーションルート・前穂北尾根に挑戦・5 »

.山登り」カテゴリの記事

コメント

谷山稜さんへ

初コメント、ありがとうございます!
そうですね、涸沢小屋からの景色は前穂を一望できるので素敵でした。
ご飯も美味しかったですよー。
また泊まりに行きたい小屋ですね。

さんぱちさんへ

そうなのよ。ほんとにココはすごかったのよ。滝谷に比べたら、北穂東稜なんて一般道に思えてしまうくらい荒れた手付かずの道でした(そもそも道じゃないけど)。

こういうところを自分たちで行けるようになれたらいいんだけどねー。

まろんさんへ

初コメント、ありがとうございます!
そうですよー、私も下半身がゾーーーってしましたもん。
怖いから下を見なかった(笑)。
でも何故か行ってしまう私。高所恐怖症は間違いないんですけどね。
涸沢の小屋から奥穂ピークハントかな?
頑張ってくださいねー!!

とっきーさんへ

初コメント、ありがとうございます!
とっきーさんも小屋番さんでしたか。
山の上の生活が慣れてしまうと下界での生活の方が違和感感じたりすることありますよね。
そして、この高度感ある景色が懐かしく思えて・・・。
もう一度私も小屋番したいなぁ・・・。

谷山稜さんへ

初コメント、ありがとうございます!
ほんとこの日は最高のお天気でした。
小屋の食事も手作り感もあったりで美味しかったですよー。
普段はテント泊なのですが、たまには小屋泊も楽しいですね。

こんにちは

爽快痛快
そしてお食事も美味しそうだなぁ
窓からの景色も最高!
やっぱり涸沢はいいなぁ〜

初めまして!初カキコさせてもらいます

すばらしい天気にそんな綺麗なルートを登るなんて・・・!なんてうらやましい!!
最近、高度感に飢えております(笑)

結構まだ残雪あるんですねー。
今年の春まで北アの某山荘にいたんですが、こんな記事を見ると山が恋しくなります。

初めまして♪

すごい!すごいです!
怖いです(笑)
高所恐怖症のわたしは、写真見ているだけで
オマタがモゾモゾ、足がすくみそう。
くら~っとなります。(^^;;

それにしても、すんごく綺麗な景色ですね。

私も今月終わりに涸沢から穂高に初チャレンジします。
こんないいお天気だったらいいなぁ♪(*^^*)
またお邪魔しますねー♪
ブログ楽しみにしています☆


おはようございます

スゴイ!スゴすぎる高度感もあってドキドキします…
(読んでいるだけで手に汗が…)
もおすけ姉さん&さぶちゃんクライマーですやん

今回は思いっきり笑わせてもらいました
立てこもりのレゴの写真最高
昔の学生運動の写真のようでもあって

次回も楽しみにしてますね。

この記事へのコメントは終了しました。

« 【もおすけ日記】バリエーションルート・北穂東稜&滝谷主稜に挑戦・3 | トップページ | 【もおすけ日記】バリエーションルート・前穂北尾根に挑戦・5 »

フォト
無料ブログはココログ